「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜若社長の新人ドライバー日記…『タクシー王子、東京を往く。』

タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」

タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」

日本交通株式会社
http://www.nihon-kotsu.co.jp/
テレビ東京 カンブリア宮殿 『日本のタクシーを変えろ!日本交通社長 川鍋一朗』
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/070514.html


仕事でタクシーをよく利用する。セミナーが続くと駅から自宅までの徒歩12分の道を歩くのがツライときがあるのだ。(^^ゞ それにしてもタクシーの運転手さんって大変な仕事だよね。(^^♪


タクシー業界最大手・日本交通の若社長がドライバー体験を志願。激動する現場を、経営者自らの新人体験を通して描いた異色の日誌がこの本。


創業80年、売上高日本一、タクシー約2900台、ハイヤー約600台を擁する桜にNのマークでおなじみのタクシー会社・日本交通創業家3代目社長・川鍋一朗氏(37歳)が、昨年末、突如、宣言。大晦日から1カ月間、東京で乗務に挑んだ。
幼いころから将来の社長を意識し、慶応大学卒業後、海外留学でMBAを取得するなどエリート畑を歩き、
2000年に取締役として入社、2005年から社長を務めている。不動産事業への積極展開で1900億円という多額の負債を抱えるながら子会社、自宅の豪邸まで売却し、火の車だった経営を立て直すなど、辣腕経営者として注目されているのだ。


氏の最大の弱点は「現場を知らないこと」。幹部の反対を押し切って、一か月のタクシー乗務にチャレンジ。その中で何を学んだのか?泣き笑いありのタクシードライバー日記がこの本!そのツボとコツを紹介しよう。


・道行く人がお客様かどうかの判断も予想以上に難しかった。班長によると、経験を積めば遠くからでもお客様が手を挙げるかどうか。そして行き先もある程度よめるようになってくるというから驚きだ。


・それにしても「明け番は雲の上にいるような、フラフラした感覚」っていったい…?


「あのさ、運転手さん、もし飲食業に興味があったらうちで働かない?ここに、いつでも連絡してよ」といって名刺を渡された。新進気鋭の外食企業の人事担当役員の方だった。それにしてもこうした日常の中でも絶えず人材を求めている意識の高さは、さすが役員!私も見習なければ。


・常務初日の、営収(営業収入)は、3万7120円。目標である5万はおろか。平均の4万1000円にもおよばない。ふだん社長として、「3万円台で帰ってくるヤツはお仕置だ!」と言ってるのに、まさか自分が3万円台で帰ってくるとは…。、トホホ。でも千里の道も一歩から。とくかく第一歩を踏み出した。朝6時過ぎに帰宅。8時から12時まで仮眠。このサイクルをこれから隔日で繰り返すことになる。ふうー。


・土地勘がないので、わからない行先を言われた場合、アタフタすると降りられてしまう。そこで最近は、地理がわからないときの魔法の言葉をとなえる。それが「不案内」だ。
「はい、○○ですね。お客様大変申し訳ございません。実はわたくし新人でございまして道に不案内なもので…もし差し支えなければご指示いただけると大変助かるのですが…。」そして最後は、「不案内で大変失礼いたしました、ご案内ありがとうございました」必死になっている人に対しては、なかなか怒れないのが人間なのかもしれない。


・とあるお客からの言葉。「タクシーはいい仕事だよな。口八丁手八丁で人をだまして売るようなことがない。まあ、車をリースして借りて自分で事業をしているようなもんだわな。言ってみれば社長だよ。自分ががんばれば見入りも増える。もちろん、がんばらなきゃ減っちゃうけどな。それに普通の仕事なら60歳で定年だけど、運転手なら70歳までできる。この10年は大きいぞ!兄ちゃんはまだ若いからあと30年はやれるな。がんばるんだぞ。だけど事故には気ぃつけてな」
この謎のおじさん…、タクシーを通じての出会いと対話から「人間味」というものの大切さをあらためて教えられる。勉強になります!


タクシーの基本=マジメに、怠けず、しっかり休憩とりながら。営収よりも、回数を目標にすること。


タクシー運転手は孤独な仕事だ。21時間に及ぶ長い勤務時間中、仕事ぶりを見張る上司も、愚痴をこぼせる同僚もいない。体調管理を怠らず、コンスタントに高い営収を上げられるかどうかは、すべて自分自身にかかっている。同時に、タクシー運転手は人との出会いに満ち、人の役に立ち、人から感謝される仕事である。そのひとつの証がチップだ。サービスがよいと思えば、お客様がチップを下さる。私の経験から言うと売上の約1%。タバコ代、ランチ代にはなる。こんなにチップをもらえる商売はなかなかない。そこのプライドを感じてやっていこうじゃないか!声を大にしていいたい。タクシー運転手って、面白いんですよ!


・乗務を終えて、お客様への感謝と同時に、我が日本交通のタクシー運転手を心から誇りに思えた。私は
一か月間の常務であったが、彼らはその努力を一年中続けているのだ。いま、強く感じるのは、「タクシーとは、人である」ということ。そして人の成長こそは、さらなる時代の課題でもある。私はタクシーという仕事の未来を信じている。そして、日本交通は、常に進化し続ける会社でありたい。


ん〜。タクシーの運転手さん、いつもありがとうね!(^◇^)