- 作者: 樋口裕一
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 新書
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この本は上司と部下、あるいは社長と社員などの上下関係のコミュニケーションのツボとコツが満載!著者・樋口裕一氏のエッセンスを紹介しよう。
・上司にとって「どうやらせるか」とは、詰まるところ、「どうコミュニケーションを取るか」ということ。人間の集団をコントロールするのがリーダーの役目。野球やサッカーのような集団競技も同じだ。チームの目的はもちろん「勝利」だ。そこで監督が実力とは関係なく自分の好きな選手ばかりを起用していたら、チームは強くならない。たとえイヤなヤツであっても、使えるものは使うのが正しい。
・最近のプロ野球なら、中日の落合博満監督がそのお手本をしめしてくれた。オリックスから追い出され、どの球団も引き取ろうとしなかった「嫌われ者」の中村紀洋選手を格安の年棒で雇い入れ、見事に使いこなして見せた。「イヤな奴」を「いい奴」にしようと心を砕くより、イヤな奴をイヤな奴のまま有効活用する方法を考えたほうがいいだろう。
・職場の人間関係は利害がすべてだから、上司が部下を好きになる必要はないわけだが、それと同じように部下も上司を好きになる必要はない。自分の能力や意欲をきちんと引き出し、組織のリーダーとして正しく機能さえしてくれれば、それだけで部下にとってはいい上司なのだ。
・私の論理の基本構造として重視しているのが、『問題提起 → 意見提示 → 展開 → 結論』という流れの四部構成だ。
①問題提起〜これから自分が何の問題について話すのかをズバリと示すこと。
例:「今夜はみんなでイタリア料理店に行こうか」
②意見提示〜ノーの意見を仮定し、その意見にも一理あることを認めた上で、自分の主張を展開していく。
例:「たしかに中高年は和食系のほうがいいという意見が根強いが、しかし若手からは、たまにはイタリア料理という声が多く上がっている。」
③展開〜「なぜなら」という形で根拠を明確に示しながら、自説を述べる。
例:「私はやはりイタリア料理がいいと思う。なぜなら今日の主役、誕生日の○○くんもイタリア料理を希望しているからだ」
④結論〜「したがって…」という形で結論を述べる。
例:「したがって、今夜はイタリア料理店に行こう」と話をしめるのだ。
・上司の叱り方の基本
〜腹を立てて怒るのではなく、あくまでも業務上の成果を上げるために必要だと判断した上で、「ここは叱ろう」と決めて叱らなければいけない。感情で行動する上司は、「気がついたら叱っていた」ということになりがちだが、頭がいい上司は、冷静な意思決定の結果として「叱る」ことを選んでいる。
・職場での出来事でもいちいち一喜一憂しないことが大事だ。中日の落合監督のように、仕事の現場ではほとんど喜怒哀楽を顔に出さないのが、リーダーの理想像なのだ。
・仕入れた「素材」を、自分で「料理」するのが本当の情報力。勉強して仕入れた情報を自分なりに咀嚼してから、「自分の言葉」に置き換えて話すのが頭のいい上司というものだ。最悪なのは、「素材」として情報だけでなく、「料理」にあたる解釈や解説の部分までマスコミからの受け売りでしゃべる上司だ。
・イチローがオリックスに入団したときの土井正三監督は、当時イチローの代名詞だった「振り子打法」を認めず、「そんなフォームで打っているかぎり一軍では使わない」と宣言していた。しかしイチローや野茂英雄を育てた、故・仰木彬監督は「オレにはわからないからダメ」と否定せず、オレにはわからないけど、それで結果が出るならやってみろ」とそれを受け入れた点だ。ここにリーダーとして優れていた点がある。
そうだよね!個性的な人もけっこう多いからね〜。コレ使えるよ!(^◇^)