- 作者: 三田誠広
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/02/27
- メディア: 新書
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この本は、芥川賞作家の三田誠広氏が、あの映画がきっかけになって書いた宗教と科学、神と人間の壮大な歴史についての本。これがオモシロイ!下手な世界史の本よりも深い!
宗教と科学というと対立する概念のように思われるが、しかし、ダ・ヴィンチからガリレイ、デカルト、パスカルを経てニュートンに至る時代にあっては、「神」と「原理」、科学と宗教はは一つのものだったのだ!中世という暗黒の時代の後に、「神の原理」の解明に挑んできた、ダ・ヴィンチ、ニュートンをはじめとする多くの天才たち。彼らがいかにして神の領域に近づこうとしたのか?宗教と科学の歴史が、この一冊でわかる!数式や図形も出てくるんだけどわかりやすい!
そのツボとコツを紹介しよう。
・ニュートンは生涯にわたって、質素な生活を続けた。贅沢な生活を求めたわけでも、金が欲しかったわけでもなかった。錬金術に没頭したのは、神が創造したこの宇宙の原理を知りたいという、純粋な知的好奇心のためだった。ダ・ヴィンチが死体を解剖したのも、同様である。彼らはつねに、神とともにあった。神の領域にわが身をひたすことを、唯一の喜びとして、科学の探求に生涯をささげたのだった。
・ある意味で、ダ・ヴィンチもニュートンも、幸福な時代を生きたということができる。神が伏せた秘密のカード(しかも重要な切り札というべきカード)が手の届くところにあって、それを一枚、また一枚と開いていく喜びとともに、人生を生きることができた。ダ・ヴィンチにとって、黄金比や遠近図法の原理は、画期的な絵画の手法をもたらした。ニュートンの目の前には、万有引力の法則があった。神の偶然の戯れのようなリンゴの落下が、ニュートンにとっては神秘的な啓示と感じられたのだ。
・パスカル「パンセ」より
人間は自然の中で最も弱い一本の葦でしかない。 しかし人間は考える葦である。人間を倒すのに宇宙は武器を必要としない。一陣の風、一滴の水が、人間の命を奪う。だが、宇宙が人間を倒す時、人間は宇宙よりも高貴である。なぜなら人間は自分が限られた命しかないことを知っている。自分の無力と、宇宙の偉大さを知っている。宇宙は人間について、何も知らない。
神ってなんだろう…。人間って不思議…。改めて、西洋の歴史なんぞ読みたくなっちゃったなあ!(^◇^)