「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜ノーベル賞・田中耕一さん!…『生涯最高の失敗』

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今日、4月2日はウチ(SA)のオーナー・桑原正守の43回目の誕生日です。おめでとうございます!(^^♪今年も一緒にがんばっていきましょうね!


記憶にも新しいのだが、2002年ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏。フツーのサラリーマンのノーベル賞受賞、そして化学分野において、「博士の学位」「修士の学位」「専門職学位」を保持しないノーベル賞受賞者として注目を集めた。その彼が書いた唯一の本がこれ。タイトルが惹きつけられるよね〜!(^^♪


大学での留年、電気工学を生かそうとした就職先の不採用。そして島津製作所では規模の事業部ではない配属、お見合い結婚…(関係ないか…(^_^;))。そして実験中の失敗がきっかけで新しいタンパク質のイオン化法を発見したことでノーベル賞…といった紆余曲折の中で彼はいかにエンジニアとしての頂点を極めたのか、とても興味深い。そのエッセンスを紹介しよう。


・中学や高校の同級生からは、『田中、おまえは化学の実験で、いつも教科書とちがうことをやってたな』と言われました。そんな私をきちんと見守ってくれていた人たちがいるんだなあ、とありがたく思いました。実験好きは、大学時代もそして今も続いています。何よりも実験をするのが楽しくて仕方がありません。自分の手を動かし、その結果が目の前ですぐに分かるからです。


・五年間を英国では、『失敗』についての考え方が日本とは根本的に異なっていることです。日本では、製品を作るときに完璧をめざします。ところが英国では、大前提に『人間は完璧ではなく、失敗するものである』という認識があります。どちらが良いのか、一概には言えませんが、ともすると日本的な考え方は完璧を求めるあまり、少しでも失敗すると危険性のある冒険や挑戦ができない、という環境を生み出しかねないと思いました。


ストックホルムノーベル博物館の館長、スヴァンテ・リンクヴィストさんは創造性を発揮するには何が必要か?9項目を挙げています。
「勇気」、「挑戦」、「不屈の意志」、「組み合わせ」、「新たな視点」、「遊び心」、「偶然」、「努力」、「瞬間的ひらめき」。私が発見した、『ソフトレーザー脱離イオン化法』も実はこの9項目が当てはまりました。


・そしてもうひとつ重要な意見を述べています。『創造性を育む環境には、どんな特徴があるか?』10項目を挙げられています。
「集中(人口密度)」、「多彩な才能」、「コミュニケーション」、「ネットワーク」、「インフォーマルな会合の場」、「往来がしやすい」、「資源」、「自由」、「競争(業績へのプレッシャー)」、「カオス、『組織の不安定な状態』」
今の日本に欠けているのは、「多彩な才能」と「インフォーマルな会合の場」「競争」だと思います。逆に日本の中にある良い点のひとつは「チームワーク」です。しかし仲良しグループに終わってはいけないと思います。


ムズカシイ話は抜きにして、彼の純粋さや情熱、ひたむきさは、すごいね。そしてなんて謙虚なことか。文章を読んでも彼の人間性が伝わってくる。ん〜!私も生涯最高の失敗をしてみたい!?(^^♪
『成功の反対は失敗ではない!平凡だ!』



田中耕一 記念質量分析研究所
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