「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜高倉健を魅了する床屋とは?…『サービスの天才たち』

サービスの天才たち (新潮新書)

サービスの天才たち (新潮新書)

先日、このブログで紹介した『サービスの達人たち』の続編がコレ。(^^♪

ヘップバーンも虜にした靴磨き…『サービスの達人たち』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20071116

命懸けで届けた被災地への電報…続・『サービスの達人たち』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20071117


平凡なれど「非凡」。人のこころを虜にする、名もなき達人たちの極意を紹介する第二弾。その中でも、高倉健を魅了する床屋、『バーバーショップ佐藤』佐藤英明氏の話が印象的だ。


「ここにはよく来るよ。一週間に一回は来る。いや、もっとくる。毎日?そう、毎日寄る週もある。何をしてるのかって?そうだね、何をしてるんだろうね…。髪の毛を切るのは二週間に一度くらいだし、あとはひげを剃ったり、髪の毛をシャンプーしてもらったり…。でも、何もしなくても、ここには来る。ここの個室を使わせてもらってるから、中でコーヒーを飲んだり、ビデオを見る時もある。こうやってインタビューに答えることもあるし、いつのまにか事務所みたいになったね」

「そうだな、僕はサッさん(主人の佐藤さんのこと)に会いにくる。彼の顔を見るだけで安心して一日を過ごせる。髪の毛をいじってもらうよりも、彼と話をするために来る。一度、サッさんに刈ってもらってからはもうよそへは行けないよ。佐藤英明という人物と時間を過ごしているのが贅沢なんだ。なんと言えばいいか…。つまり、気だと思う。彼からは、気をいただくことが出来る。」


では何が素晴らしいのか、それは鋏の音が違うのだ! 一本一本の毛髪に食い込んでいく音がはっきり聞こえるらしい。彼は、鋏の先端を鋏を大きくゆっくりと動かしていく。それに対して他の人は鋏を少し広げてしゃきしゃき切っていく感じ。鋏を動かす回数が多いから、神経質な動きに思えてしまう。それにしても、鋏を開く幅にしてわずか二センチほどの違いである。しかし、その二センチが名人と普通の人を分けるのだ!


著者は語る。達人たちの仕事の特徴とは、すべて、「大きくゆっくりと動くこと」。靴磨きの達人はゆっくりとなでるように革靴を磨いていく。天ぷらの達人は、油の中に天タネを落としたら、箸でつついたりしない。 日本一のロールスロイスのセールスマンもやたら電話をかけるわけでもないし、靴のかかとがすり減るまで街を歩くわけではない。ひとりひとりの客の話を聞くことに時間をかける。これがツボとコツかもしれない!


ギターでもそうだね。上手い人は、その指の動きがゆったりしている。にゃるほど〜!(^^♪
ウチ(SA)流でいうところの『鷲のエネルギー』だね。


その他、日本一のキャディを育てるゴルフ場、お客の心まで揉みほぐすマッサージ師、種牛「糸福」の一生、北海道を訪れる有名人御用達のタクシー運転手…などなど。この本もオススメですぞ!