以前「レナードの朝」という感動的な映画があったよね。30年間昏睡状態だった男レナードが、奇跡的に意識を回復した話。その原作者の著作がコレ。なんとも衝撃的なタイトル。(・o・)
「妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親…。脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害にもかかわらず、人間として精いっぱいに生きていく。そんな患者たちの豊かな世界を愛情こめて描きあげた、24篇の驚きと感動の医学エッセイの傑作。そのエッセンスを紹介しよう。
・「あれが私の足かな、そうでしょうか?」私の聞きちがいだろうか?足を手でさわって言った。「これ、私の靴ですよね、違いますか?」「ちがいます、それは足です。靴はあっちです」「あっそう、あれは足だと思っていた」彼はふざけているのだろうか?
・彼は帽子をさがしはじめていた。彼は手をのばし、彼の妻の頭をつかまえ、持ち上げてかぶろうとした。妻を帽子とまちがえていたのだ!妻の方でも、こんなことには慣れっこになっている、というふうだった。
・家族が写っている写真、同僚の写真、生徒の写真、彼自身の写真。私はこれらを集め、どうかなと危ぶみながら、順々に彼に見せた。大方どの写真を見ても、彼はそれが誰だかわからなかった。アインシュタインの写真はわかった。例の特徴ある髪と口ひげで見わけがついたのである。
当たり前のことがありがたいということ、そして脳の働きってスゴイなあ…と改めて感じます。オススメです。(・∀・)!