面白い!一気に読み通してしまった。この世代の女性がどのようなことを考えているのかを垣間見るようだ。著者は私と同じ、1964年生まれ。(^^♪
37歳の週刊誌編集者、39歳の専業主婦、42歳の美容整形医院事務長の3人の女性を主人公に、セックスレス、美容整形、愛人関係、ホストクラブ、出会い系サイトなど世相を反映したシリアスなテーマを散りばめながら、現代を生きる女性たちの悩みや葛藤をリアルに描いていく。 「中年とはいつからなのか?」「いつまで女でいられるのか?」をテーマに、忍び寄る"老い"におののきつつも、うまく枯れていくことができない"中年モラトリアム世代"の心情を鮮やかに綴った"アンチエイジング小説"が登場!とのこと。
写真家アラーキーこと荒木経惟の写真がふんだんに使われている。これが、花がちょうど枯れる寸前のようなショットが意味深だ。私は、バナナでもちょっと黒くなりかけた方が好きなんだけど。(^^ゞ
3人が通う料理教室では、還暦を迎えるくらいの静先生が毎月旬の料理を教えているのだが、彼女は年を重ねても何故か色っぽく、女性らしさを失っていない。この物語にいい味をかもし出している。
静先生は言う。『大根は冷める時に味が染みていくのよ 。煮ている時は水分が出ていってしまうの。だから、一度冷ましてからいただくほうがおいしいの』一度冷ましてからのほうがおいしい。蘭子はその言葉を、心の中で何度も繰り返した。37歳の自分を、味を染み込ませている時期と思うのは、図々しいだろうか。
『三つ葉を入れるタイミングに気をつけてくださいね。早く入れすぎると、食べる頃にぐちゃぐちゃになってしまうから。お料理は何よりタイミングですよ。』タイミング、真澄は、それが大切なのは料理だけではない、思った。真澄と孝明は真美子が生まれた後、男と女に戻るタイミングを逃してしまったのだ。いったいいつ、それを逃したのかと考えてみても答えは見つからなかった。
誰でもいい、生活をともにしてくれる人が欲しいと思った。食事の好みがあわなくても喫煙者でもいい、私より背が低くたって、頭髪が怪しくたってかまいはしない。いざというときに、一緒に恐怖を感じてくれればそれでいい。セックスが合わなくたってたいした問題ではないではないか。
…など生々しい…。若い女性はもちろん素敵だけど、女性は年齢じゃないよね。(^^♪年を重ねてもいつも少女のような女性もいるし。…ウチの妻はいまもキレイで素敵です。(^_^;)