
この、土居伸光さんの一連のシリーズは、不思議な魅力と読後感にあふれている。まるで高野豆腐のようにじわじわーと胸に沁み込んでくる。
若くして奥様を亡くした著者は、不思議な感覚に包まれる。葬儀中に微笑みたくなる。最愛の奥様が残したものはなんだったのか。そのエッセンスを紹介しよう。
・この本は、 私の妻であったあつみという女性のガン闘病記録です。 残念ながら、ガンに打ち勝った物語ではありません。 四十二歳の夏、横に寝ている私にも気づかせることなく、 彼女はあの世とやらに旅立ってしまいました。 末期ガンという不幸な出来事に押しつぶされることなく、 あつみはその不幸を見事前向きなものへと転換していったのです。
・彼女が大きく変わっていたたきっかけのひとつは「 ガンは自分が作り出したもの。つまり。ガンは自分自身」 と言うようになったことです。自分自身が作り出したガンが「 悪魔」であるはずがない。それ依頼、あつみにとってガンは、 憎むべき相手から慈しむべき相手に大きく変わっていったのでした 。ガンを、認め、許し、 そして受け入れる姿勢に転じていったのです。
・亡くなる前日の夜、私に向かって合掌しながら、 かぼそい声でしたが、にっこり微笑みながら「ありがとう、 お休みなさい」と言った言葉が、彼女の最後の言葉でした。
・出棺のとき、悲しいはずなのに、涙が出てよいはずなのに、 私の心はとても穏やかでした。やがて、身体が暖かくなり、 突き上げるような至福感が私を包みはじめたのです。 ちっとも悲しくはないのです。 それどころかニコニコと微笑みたい衝動にかられていました。 何か視野が大きく広がった感じがしたのでした。 葬儀の最中に微笑みたくなったのです。
・あつみは私が身体を使って「悲しまないで、 もっとニコニコ微笑んで。私は何も思い残すことなく、 あの世に行きますから心配しないで」ということを伝えたくて。 あのような現象を起こしたのではないかと思うのです。 今思い出しても、とてもとても不思議な体験でした。
・あつみは抱えきれないほどの「宝」を残してくれました。 もっとも大切な「宝」は、喜びや心の平安という「宝」です。 それは、私の心の中で活き活きと躍動しています。
・チャップリン「スマイル」
微笑みなさい どんなに心が痛んでも
微笑みなさい 心が砕けそうになっても
大空に雲が垂れ込めていても 何とかやっていけるものよ
恐れや悲しみを乗り越えて微笑めば
微笑みなさい 明日になれば太陽が降り注いでくれるかもしれないから
喜びであなたの顔を輝かせなさい
涙が出そうになっても 悲しみのかけらを隠しなさい
そのときこそ頑張るのよ
微笑みなさい 泣いてどうなるの
微笑めば 人生はまだまだ生きる価値があるということが分かるのよ
この本と続けて読むといいよね。超オススメです。(^^)

