この本は、何十年ぶりに読んだんだろう。自分の心にバシッとムチをうちつけられたようだ。やっぱり岡本太郎はいいなあ!♪
「“才能なんて勝手にしやがれだ"“だめ人間なら、そのマイナスに賭けてみろ"岡本太郎の遺した作品と言葉は、いまでも私たちに鋭く問いかけている。瞬間を生き抜く、岡本太郎のパッションは、強い力をもって私たちの生命にズシンと響く」そのエッセンスを紹介しよう。
人生に挑み、ほんとうに生きるには、 瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。 それには心身とも無一物、無条件でなければならない。 捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。
・今までの自分なんか、蹴トバシてやる。そのつもりで、 ちょうどいい。
・自分に忠実に生きたいなんて考えるのは、むしろいけない。 そんな生き方は安易で、甘えがある。 ほんとうに生きていくためには自分自身と闘わなければ駄目だ。 自分らしくある必要はない。むしろ、“人間らしく” 生きる道を考えてほしい。
・ つまり自分自身の最大の敵は他人ではなく自分自身というわけだ。 自分をとりまく状況に甘えて自分をごまかしてしまう、 そういう誘惑はしょっちゅうある。 だから自分をつっぱなして自分と闘えば。 逆にほんとうに意味での生き方ができる。
・危険な道を運命として選び、 賭ける決意をはっきり自覚したのは、二十五歳のときだった。 パリで生活していた頃だ。
・絵描きは絵の技術だけ、 腕をみがけばいいという一般的な考え方には、 ぼくはどうしても納得できなかったのだ。 しかしそれは極めて危険な問いだ。
・「安全な道をとるか、危険な道をとるか、だ」あれか、これか。 「危険な道をとる」いのちを投げ出す気持ちで、自らに誓った。 死に対面する以外の生はないのだ。 その他の空しい条件は切り捨てよう。そして、 運命を爆発させるのだ。戦後の日本でぼくの果たした枠割、 ポジションはその決意の実践だった。