この本は、スゴイなあ。よくぞ出版してくれました。読みながら絶句する、胸が締めるつけられる。タイトルから連想してしまう……。(T_T)
「彼らはみな、加害者である前に被害者であった――。貧困、育児放棄や虐待、発達障害によるいじめ、厳しすぎるしつけ。過酷な子ども時代を過ごし、犯罪に走った、走らざるを得なかった少年たち。そんな彼らの葛藤や後悔、そして心の内に秘めた思いが、作家による「物語の教室」を通して、剝き出しの言葉となりそして詩となっていく。受刑者に寄り添い、向き合ってきた作家が編んだ奇跡の詩集、待望の第二弾」そのエッセンスを紹介しよう。
・刑務所に入っているのは、どんな人々でしょうか。「
「彼らはみな、加害者になる前に、 被害者であったような子たちなんです。極度の貧困のなか、 親に育児放棄や虐待をされてきた子。 発達障害を抱えているために、 学校でひどいいじめを受けてきた子。厳しすぎる親から、 拷問のようなしつけをされてきた子。 親の過度の期待を一身に受けて、 がんばりすぎて心が折れてしまった子。 心に深い傷を持たない子は、一人もいません。 その傷を癒せなかった子たちが、事件を起こして、 ここに来ているんです。ほんとうは、みんなやさしい、 傷つきやすい心を持った子なんです」
「涙」
仕事一本
ガンコな父
名前で呼ばれたことも
なかったから
必要以上
会話すらない
そんな関係である
ある警察官は
僕の父に質問をしました
「子どもを漢字一文字でたとえるとなんですか?」
まっ白な紙に
大きく 大きく
書かれた文字は
「宝」でした
そのとき ぼくは
おさえられない
なにかを感じました
数秒後には
キレイな
涙が流れていました
「言葉」
「いいんだよ」「がんばったね」「よくやった」
この言葉が ほしい
この言葉が ボクを幸せにする
「お前はアカン」「でき悪い」「お前はいらない」
この言葉は いらない
この言葉は、ボクを不幸にする
嫌な言葉を言われると 自信をなくし
自分自身が嫌になる
好きな言葉を言われたくて 行動し
ボクは ボクを失う
一つ一つの言葉が ボクを造る
一つ一つの言葉が ボクを壊す
「刑務所はいいところだ」
刑務所は いいところだ
屋根のあるところで 眠れる
三度三度 ごはんが食べられる
お風呂にまで 入れてもらえる
刑務所は なんて いいところなんだろう
まさに奇跡の書です。多くの人に読んでもらいたい。超オススメです。