「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「日本の感性が世界を変える 言語生態学的文明論」(鈴木孝夫)

この本もいいなあ。気になるフレーズが多すぎてフセンだらけになってしまった!♪ 途中で涙ちょちょぎれそうになった。あらためて日本はいいなあ!と実感してしまった!♪

「論争より情緒、対立でなく融和。世界には「日本らしさ」が必要だ。言葉と文化、自然と人間の営みに深い思索を重ねてきた著者が、世界の危機を見据えて語る《日本人の使命》とは? 外国人が日本語を学ぶとなぜか礼儀正しくなる「タタミゼ効果」の不思議や、漢字に秘められた意外な力、そして日本の共生的自然観を西欧文明と対比させつつ、繊細だが強靱なこの国の感性を文明論として考える」そのエッセンスを紹介しよう。

・なぜ小さな孤立文明である日本が、いま行き詰まりを見せている西欧文明に代わって、人類社会がこれから目指すべき新しい目標を示せるかというと、未だに「生きとし生けるものすべては、互いに複雑な共存共栄の無数の網目でつながっている」という、いまではほとんどの大文明が失ってしまった、古代のアニミズム的で汎神論的な自然観を、未だにかろうじて保持している唯一の、しかも強力な先進近代国家だからです。
 
・現在この地球上には、個体数が億どころか百万を超える野生の大型動物は、人間のおかげで驚くなかれただの一種も存在しなくなったのです。人間はまさに数の上でも「万物の王者」となってしまっているのです。
 
・日本人の持っている「白黒をはっきりさせないで曖昧なままに飲み込む能力」を再評価すべきだというのです。
 
・フランス語にタタミゼtatamiserという言葉があります。日本語の畳をフランス語の動詞にしたもので、「日本かぶれする、日本贔屓になる」というところ。日本に派遣されたフランスの新聞社の特派員や商社マン、そして外国感などが、何年か経ってフランスに戻ると、周りの人が「やつはタタミゼしたぞ」などと日本ボケしたといった意味でも使う言葉になったらしいのです。やたらと「済みません」と言ったり、直ぐ謝ったりしてしまいます。
 
日本文化の同化力が何によるものなのか、私はまだ正確な分析をしたわけではありませんが、現代の日本に根強く残る自然との融和性や共生的世界観、そして日本語自体に秘められている感性的なユニークさが、外国人をおのずから日本化させてしまうのです。
 
鎖国(海禁)体制を、二百五十年もの長きにわたって維持したことは、近代の世界市場特筆に値する偉業だったと考えています。戦後七十年近くも戦争で日本人が一人も死んでいないですが、江戸時代はその3.5倍近くもの長期間にわたって、鎖国のおかげで日本人が一人も対外戦争では死んでいない、なんとも素晴らしい時期だったのです。
 
その間、欧米の先進国は皆、人類史上初めてと言ってよいほどの残酷無比な侵略戦争、略奪戦争を、世界各地の弱小民族に対して行っていただけでなく、お互いの間でも数え切れないほどの領土の奪い合い、いでおろぎ上の血みどろの対決、経済権益をめるぐ熾烈な争いに終始していたのです。
 
「日本語を話すたびに、礼儀正しくなったと感じたアメリカ人」「男性を立てるようなスタイルになってしまったアメリカ人女性」「日本語を使いつけると柔らかい人になる」「日本化されると、にこやかに謝ってしまう」「盆栽は小自然と大宇宙」「鳥類の飼育」「日本は世界で詩人が最も多い国」「自虐的な自国史観からの脱却が必要」「日本には宗教が原因の紛争も人種差別の問題もない」「アメリカ文明がためらうことなく自然環境を破壊した例(バッファロー大量虐殺、リョコウバト)」「人間以外の「小さき命」にまで感謝する日本人の感性(蚊取り線香型文明)」「外国語には同音語がほとんどない」など。
 
特に「東南アジアの指導者たちの証言」は涙が出るなー!
 
この本を読むと優しくなります。オススメです。(^^)