【クラウドファンディングの経過報告!】
「酒場のギター弾き」あらため「てるてるソング」の小野塚テルです♪
「テルさん、谷山浩子、弾けるかな!?」
するとその人の顔が懐かしい昔の写真に出会ったような笑顔に。つづいて『お早うございますの帽子屋さん』『窓』『カントリーガール』を歌うと
じーん……かみしめながら、「いや〜!!!びっくりした!!!まさか谷山浩子が今日、聞けるとは。歌えるとは!!!自分でも何十年も聴いてないんだけど、フッと思い出したんですよお!!あ〜スゴイ!感動したー!!!」
と、お帰りの時間までずっとえびす顔でした。こんなカラオケでは味わえない、その場でしか体験できないのが、唯一無二のエンターテイメント+アトラクション!「てるてるソング」。
※支援の仕方がわからない!という方もいますので、載せておきますね!!♪m(__)m
■小野塚テルのメッセージ
さて、今日の一冊!
この本、いいわー!感動したわー!♪ 日に日に忙しくなって本を読む時間が少なくなっているんだけど、こんな本に出会えるから読書はやめられないよねー!♪
「白洲次郎が通った。川端康成が愛した。時代の寵児たちを魅了した、あるマダムの半生。かつて銀座に川端康成、白洲次郎、小津安二郎らが集まる伝説のバーがあった。
その名は「おそめ」。マダムは元祇園芸妓。小説のモデルとなり、並はずれた美貌と天真爛漫な人柄で、またたく間に頂点へと駆け上るが―。私生活ではひとりの男を愛し続けた一途な女。ライバルとの葛藤など、さまざまな困難に巻き込まれながらも美しく生きた半生を描く。隠れた昭和史としても読める一冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・その女の名は、上羽秀(うえば・ひで)という。しかし、 おそめ、という通り名のほうが人に知られているかもしれない。
・「おそめさん、っていう人なのよ。それでね、 お店の人に聞いたんやけど『夜の蝶』のモデルなんやって。 小説で、映画にもなった、いう」
友は少し興奮した様子で、老女について語り続けていた。 老女の美しさを褒めそやして「血の通った人間というより、 何かの精のようだった」
今はひっそりと古都に暮らしているという話に軽い興味を覚えた。 いかにも物語めいた話である。
・「銀座の文壇バーといったら、昔は『おそめ』 という店があって、ママは生粋の京女で月見草のような人でした。 当時、もう一軒、『エスポワール』という店があってね、 こちらは川辺さんという人がママでした。この人は、 向日葵みたいな人、豪快で押し出しがよくて。 おそめさんと川辺のママは好敵手で張り合って、 ふたりをモデルにして書かれたのが『夜の蝶』……」
・おそめが銀座から姿を消して、もう何十年も経つという。 しかし、今でもこうして人々の記憶にかすかに残り、 作品そのものを離れて、酒場勤めの女たちを指し「夜の蝶」 というい言葉が生き続けている。私は「おそめ」と呼ばれる女の、 静香な影響力を改めて感じた。
・それにしても、なんと小柄で可憐でああることか。いや、 何より私を強く捉えたのは彼女の全身に漂う透明な空気だった。 少女のよう、という言い方では不満が残る。友が言った「 何かの精のよう」という言葉が、まざまざと思い出された。
私はこんな人を見たことがない。 まるで澱んだものが感じられない。 すべてがあらい流された先の無の姿とでも言うべきものか。 それは無心な花のように、 ちっぽけな自我など少しも感じさせぬ姿であった。
・思えば、育てられた上羽の家でも嫁ぎ先の角田家でも、 朝早くから晩まで、女たちは休む間もなく立ち働いていた。 しかし、それは労働として評価されることはなく、 あくまでも女は家に従属する身と見なされていた。しかし「世間」 は違ったのだ。外に出れば台所仕事であろうと、 たとえ宴席にはべることであろうと、 それらはすべて賃金が伴う労働となる。男の情欲でさえ、 家庭の外に出れば女たちには生活の術となる。その単純な事実に、 よしゑは驚いた。
・秀は、金をいつも人にやってしまう。それが今も少しも変わらぬ昔からの癖だった。よしゑや、掬子に金のことで注意を受けると「そんな、お金みたいなもの、お金みたいなもの、どうにでもなる」と子どものように膨れて言い返すこともあった。「お金、いうのは流れているもんや。流れを止めたらあかんのや。特に水商売のものは」金を得ることに苦労がなかったからかもしれない。金を得ることに辛さを覚えたことがない。秀の金銭感覚の源はそこにあったのだろう。
・ナイトクラブのステージには、名だたる歌手、俳優が立っている。アイ・ジョージ、鶴田浩二、雪村いずみ、松尾和子、美空ひばり……。美空ひばりがナイトクラブステージに立ったのは、後にも先にも「おそめ」だけであろう。このとき、美空は「お金はいらないわ。その代わり、おそめちゃんの着物を私にちょうだい」と言い、秀の着ていた着物をその場で脱がせてまとい、ステージに立ったという。
・一番好きな時間は、と聞かれて「店にいるとき、遊んでいるよう」「あっという間ですよ。ほんにあっという間……。お陰さんで楽しゅうに過ごしました。もうすぐです。もうすぐ」
・「ああ、そこ……。皆さんが、大勢いてはる……こっち見てませんか。見えまへんか、お人がいっぱい並んで、こっちを、皆さんが見てませんか……。皆さんが、あんまり、懐かしくて、あんまり、ご心配で……皆さんが、お会いしたくてだからきっとそこに……」あとは、声にならなかった。車のクラクションが鳴った、白い光が近づいてくる。秀が、面をあげた。私たちの視線が絡み合う。そのとき、その瞳の中に、私は彼女の全盛の輝きを、はっきりと見つめていた。
「空飛ぶマダムへのやっかみ」「小説『夜の蝶』の誕生」「凋落の始まり」「俊藤浩滋の転進」など。
まるで映像が浮かぶようだなあ。これ、映像化してほしいなあ。昭和って味わい深いなあ。超オススメです!(・∀・)♪