「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「文豪と印影」(西川清史)

 最近はほとんどみかけないけど、古本を買うといちばん後ろの奥付に著者の印が捺してあるのがあったよね。なんだろう!?って思ってただけだったけど、あらためてその意味がわかったわー!♪ふーん、そうだったのかー!♪

 

かつて本には「検印」が捺され、 作品を書き上げたあと文豪たちの「一番最後の仕事」は自分の本にハンコを捺すことだったーー。病床でも「印譜」を見たいと話した夏目漱石や、遺書にも「印鑑」について記した芥川龍之介。 大好きな荷風にとっておきの「印鑑」を贈った谷崎潤一郎に、「検印」の小説を書いた菊池寛など 130人の文豪たちの170の印影をエピソードとともに収録。「ハンコ文化」が失われつつある今、「ハンコと文豪」の切ってもきれない関係に迫る」そのエッセンスを紹介しよう。

 

・地元の図書館で昔の本を手にしていたある日、ふと、古い本の奥付には著者のハンコが捺されていることに気がついた。そうだそうだ、昔の本には著者のハンコが捺されていたものだったと思い出した。

 
これは「検印」と呼ばれ、たいがいは朱色で、作業中に擦れたりしたのであろう、色が滲んだり、擦れたりしていたものである。直接奥付にハンコを捺したものもあれば、切手のような小さな紙(印表というらしい)にハンコを捺し、その紙を奥付に貼ったものもあり、さらに丁寧なものは汚れ止めのために、その上に小さなパラフィン紙をかけたものまであった。
 
なんのために?出版社が著者に支払う印税(著作権使用料)に正確を期すためである。昭和40年代になると、検印は消えた。その代わりに次のような断り書きが記されるようになった。
 
 
「無検印著者承認」「著者との協定により検印廃止」
 

 

 
そうしてこれらの断り書きも消え去り、今ではその痕跡もない。著者と出版社との約束事が近代化された証拠なのだろう。「懐かしむ気持ち」を持っている人たちがこの世から消え去ったとき、検印は完全に忘れさられるのだろう。そいう思うと、奥付の検印を記録しておきたくなった。今はもうこの世にいない作家たちが一生懸命、ひとつひとつこのハンコを捺していたんだなあ、と思うと、彼らの肌のぬくもりを感じるような気さえする。消え去るものは、なべて、愛おしい
 
 

 

 
 

 

 

 

▲ 武者小路実篤

 

 

▲ 中原中也

 

いいなあ、著者の息吹が伝わるようだね。この頃の本っていいなあ。オススメです。(・∀・)♪