「事実は小説よりも奇なり」っていうけど、この本はまさにそれだね。(・∀・)
「ごく普通の人間が、ごく普通の毎日をおくっている中で出会ったエピソード。ほっとしたり、せつなくなったり、笑ったり、さびしくなったり、そんな誰かのエピソードが詰まった1冊」そのエッセンスを紹介しよう。
「マイ・アメリカン・マザー」
大学三年の夏、アメリカ短期留学、はじめての海外。 私が見たアメリカは、家も車も食べ物も人間も、 そして人間の心も大きな大きな国だった。 ちっぽけなことでクヨクヨしたり、ウジウジ悩んでいた自分が、 すごく小さくも感じた。自分中心でわがままだった私が、 この大きな国の人々に接することによって、 大切なことにもたくさん気づかされた。 それまで見えなかったもの、 見ようとしていなかったものが見えてくるような気がした。
しかし充実した日々はあっという間に過ぎ去ってしまう。 帰国の日が迫ってくるにつて、「帰りたくない」 という気持ちはつのるばかり。せめてものお礼にと、帰国前夜。 手作りの日本料理でお礼のパーティを開き、 私からファミリーへの精一杯の感謝を伝えた。その時“おばさん” が。私に小さな箱に入ったプレゼントと、手紙を手渡してうれた。 手紙の内容は、私との思い出からはじまえり、 次のように綴られていた。
「遠い国から一人で外国に来るには勇気が必要だったでしょう。 あなたのおかげで楽しい毎日でした。 いつでもこの家に帰ってきなさい。あなたは私の日本の娘です」
リボンのついた箱を開けると、 私の名前を刻んだ家の鍵が入っていた。家族の一員になれば。 そう思ったら涙が止まらなかった。“おばさん”は、 いつの間にか大切な私の“ママ”になっていた。 もう一人の母ともう一つの家が、私にはできた。