いや〜この本、オモシロイわー!!!関西の、大阪のヒミツ、テレビで観る大阪って本当に大阪なの!?その疑問に答えるのがこの本の中にあるっ!!!
「ドケチでがめつい、熱狂的阪神ファン、最先端の「エロ」……大阪は、ほんとうに大阪的か?大阪と聞いて何を思いうかべるだろうか?芸人顔負けのおばちゃん、アンチ巨人の熱狂的阪神ファン、ドケチでがめつい商売人……これらは東京のメディアが誇張し、大阪側も話を盛ってひろがった、作り物の大阪的イメージだ。『京都ぎらい』の著者が、紋切型の大阪像をくつがえす」そのエッセンスを紹介しよう。
・この本は、世に流布する大阪論のあやまりをただそうとしている。紋切型の大阪像がつくられる過程に、光を当てようとする本である。私は大阪と京都の不仲を、不幸なことだと思っている。関西としての連帯感を回復してほしい。そんなふうにも願ってきた。
・世の大阪像は、東京のメディアがふくらましてきた。しかし、なかには大阪のメディアが話を盛ってきた部分もある。大阪像の滑稽化には、地元のテレビ局なのども、けっこう加担してきた。そこをかくすのはずるいと考え、ここに書きとめる。
・大阪の女たちは、抑制のきいた静かな物言いを好むという。今のテレビなどがはやしたてるのは、まったく正反対のおばちゃんたちである。人前でもはにかむことなく、あけっぴろげにふるまう人たちへ、光を当てやすい。路上取材であった女性の中から、ゆかい気に見える人だけをぬきだし、放送する。のちには、在阪各局がこの手法をとりいれ、大阪のおもろいおばちゃんばかりを、画面から洪水のように流しだしたのである。ここでは、それが1980年代以後の、新しい現象であることを、確認しておきたい。
・大阪の朝日放送の元社長・西村嘉郎(よしお)は、ラジオの時代から視聴者参加形式の番組はあった、と言っている。その理由は「東京から高名な芸人を呼ぶと制作費が高くつく」在阪局は、どこも知恵をしぼってきた。「お金をかけないでどう面白く作るか」「各局とも変化球を放りながら東京と闘っ」た。ようするに経費面での悪条件が「素人」への依存を余儀なくさせたというのである。「夫婦善哉」「新婚さんいらっしゃい!」「プロポーズ大作戦」等々と。しかしそのまま使わず「出場者の予選会を丹念にや」り、「エピソードをいかにうまく拾うかで番組の成否は決ま」る。視聴者は、おもしろい「素人」の映像を、見せつけられることになる。「素人」だって、おもしろくふるまうほうがいいという感性を、はぐくんだと考える。
・他の地方局がもたない使命感を、在阪局はせおいこんでいる。予算の限界もあるのに、東京とはりあえる地元制作の番組を、ひねりださねばならない。いかにも準キー局らしいこの志が、こっけいな大阪人の大量動員をうながしたのである。
「阪神ファンがふえた訳」「エロい街だとはやされて」「美しい人は阪神神戸線の沿線に」「音楽の都」「「食いだおれ」と言われても」「アメリカの影」「歴史の中の大阪像」「大阪と大阪弁の物語」など。
マスコミの影響ってすごいね。80年代で時代が変わったんだなー!オススメです。(・∀・)