「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「落合博満 変人の研究」(ねじめ正一)

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野球シーズンが終わると淋しいよね……球春っていうけど、キャンプ、オープン戦、開幕が待ち遠しいわっ!!!(・∀・)
 
さて名選手で名監督の落合博満。落合がジャイアンツにいたときは良かったなー!
 
無口。無愛想。孤高。愛妻家。そして、野球と勝負の天才。沈没寸前の日本球界の中で、ただ一人気になる男、落合博満。名うてのプロ野球者が読み解く「オレ流」のすべて。「野球にはすべて必然的な理屈がある」―不敗の戦略を知る男の謎を徹底追究!」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
・「スポーツはいわば遊びの延長だ。野球はその昔、ラウンダーズというボールゲームから発生したというが、米国で1834年に出されたルールブックの挿絵は広っぱで子供が元気よく遊ぶ姿だったという。ボールを打って走る。無邪気な遊び、私はこれが野球の原点だと思う。ところが、大人の欲目が入り、野球から遊びの部分が抜けてしまった」
 
・私は、落合博満という人間は、この息詰まるような日本野球のピラミッドに、たった一人で、自分流のやり方で風穴を開けようとしているのではないかと考えている。あの野茂英雄が、イチローが、松井秀喜が、松坂大輔が、大リーグまで探しに行かなくてはならなかった「野球」を、日本にとどまったままでみつけようとしている。野球は本来、打って、守って、投げて、走って、そして勝つものだ。グラブとバットとボールを持って、みんなでぱっと集まってきて、真っ暗になるまで遊んで、さあっと帰っていく。そして、どんな遊びでも勝たなくちゃ面白くない。日本のプロ野球チームのなかで、高いレベルでその精神を実現しているのは落合中日にしかいない、まずここで断言しておく。
 
・落合は日比谷公園で、ポケットに五円しかなかったりして、何度も野宿した経験がある人なんです。大学を中退した頃の話ですが。落合夫婦も、路上で生活していても平気、というバイタリティがあるような気がしますね。いまの日本人に欠けているエネルギーでしょう。
 
いくらで売れるか、値踏みしている古道具屋の目を持っています。きちんと現物に迫っている強さを持っています。あの商売はだいたい、いきなり品物の値段は言わないんです。お客が言い出すのをじっと待っていて、その額によって態度を決める。だから、素人だと足元を見られてたいへんですよ。骨董屋というのは、人間の表面のあり方をすごく分かってるでしょう。ブランドや値段の高さによって、人がどれくらい左右されるのか。皮というか、表層の部分、包装紙の意味について、よく知っています。落合という人は、ブランドは絶対に信用しないでしょう。使わないわけじゃないけど、その価値については何も信用していない。
 
落合という人は、現役の時から監督をやっていたような感じがあるんです。大言壮語に見えるけど、三冠王とれるのは自分しかいないと宣言するのは監督の目です普通だったら、うぬぼれているだけと思われてしまう。しかも、打点、ホームラン、打率のすべてを、きれいに配分して獲った。あのバランス感覚は、やっぱり、監督ができる才能ですよ。
 
野球は相撲に似ています。呼び出しがあるし、仕切り直しがあるし、互いに砂の上に立って足場を固めるでしょう。なによりバッターとキャッチャーの一対一の関係が基本でしょう。ピッチャーとキャッチャーだって、一つのボールを巡って二人の人間が直接対面する関係から始まる。ほかの集団スポーツは、ネットをはさんでいるか、ゴールをめざすか、どちらかです。常に動いて休みがない。野球と相撲は常に間があって。見る方はビールを飲んだり弁当食べたりできる。野球の打順は相撲の番付表です。
 
「でも、やりくりは慣れているから」
 
「絶不調というのは、結果の出ないことでもあるが、私の場合、何も考えつかない、考えることすらいやになる鬱状態をいう」
 
「オレに、管理野球をやれというのなら、まず選手全員を鉄格子の中に入れてしまう」
 
・「よくアメリカ人は不器用だというけれど、とんでもない。大リーグの試合を見ていると、あんなところからよくボールを投げたり、捕ったり、打ったりできるもんだと思うほどだ。日本の野球のほうが大ざっぱ。日本人のほうが手先が器用だとかなんとか言うけれど、実際はそうじゃないと思う。むこうの人間の腕の使い方、ハンドリングのうまさは驚きさ。ただリストが強いだけじゃない、歴史かな?とにかく、なにか他にある。絶対に日本人には勝てないなにかがある
 
人それぞれ、からだの造りも頭の構造も違う。だから、今までの選手もみんな自分流というか、我流でやってきたんだと思う。からだのバネからものの考え方まで、なにからなにまで自分とそっくりな人間に教えられれば、それはその人間のレベルまではいくだろう。ところが、そんなことはあり得ない。完全に同じコピーを作るのは不可能なのに、日本の社会は、えてしてそれをやりたがる。
 
バッティングは、早い話が、来たタマを打ちゃあいいの。来たボールの最短距離にバットを走らせて、大きく振り抜いてやればいいんだ。アッパースイングでもダウンスイングでも関係ない。要するに、打っていい結果を出せば文句ないんだから簡単なこと。野球は単純に考えないと大変。奥の深いスポーツだから、のめり込んだらきりがない。
 
・野球選手にもいろいろなのがいるが、オレに言わせれば、品行方正”というのはまずダメで、ちょっとおかしいぐらいの人間のほうがいい仕事をする。
 
野球という競技は、あたりまえのことがきちんとできていれば、どんなに力の差があると言われているチームや投手を相手にしても、そこそこの試合、バッティングをしていくことはできる

 

やっぱり落合に球界復帰してほしいな。間違いなく面白くなるよね。野球ファン必読っ!超オススメです。(・∀・)

 

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