「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「スナック研究序説 日本の夜の公共圏」(谷口功一 スナック研究会 編著)

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「酒場のギター弾き」であるワタシは、酒場、居酒屋が大好き。特に立ち飲みがいい。好「ブラっと」来て「ピッと」帰るというブラッド・ピット方式」が好きなんんだけど、唯一行かないのがスナック。タバコの臭いがしそうなのと、デジタル音のカラオケが嫌い。禁煙で、ギターがあるならぜひ行ってみたいけどね〜。(・∀・)

 

さてこの本。「日本に十万軒以上もあると言われる「スナック」について、学術的な研究がまったく存在しないことに憤り」を感じて決起したと「スナック研究会」。スナックという「夜の公共圏」「やわらかい公共圏」に光を当てることで、日本社会の「郊外/共同体」と「社交」のあり方を逆照射することを目指すものである。そのエッセンスを紹介しよう。

 
・夜の巷にネオンを灯す「スナック」についての本邦初の学術的研究の試み、それが本書である。執筆陣は2015年に結成された通称「スナック研究会」のメンバーから構成されており、幅広い分野での第一線で活躍する研究者たちを揃えたものとなっている。
 
・スナック道の大先輩・玉袋筋太郎も嘆く通り、先輩が後輩を連れてゆくという文化が、恐らくわれわれ70年代生まれの世代とその上の世代のあたりで断絶してしまっているようでもある。また、後述の通り、都市部ではなく地方においてこそ、スナックは身近なものとなっている。
 
スナックはオリンピックのあった1964年の前後に生まれたもので、その名称は文字通り「軽食(スナック)」に由来する前身は「スタンドバー」だったころ、オリンピック開催に伴う風俗もろもろへの締めつけ(深夜営業の禁止)に対抗する苦肉の策として、規制の対象となる酒だけを出す店ではなく、軽食(スナック)を出すという態で「スナックバー」と名乗り始めたのが、その起源であるという説もある。
 
・日本に存在するスナックの数は概算10万軒を超えており、美容院(23万)不動産屋(12万)居酒屋(8万)などの業種と並ぶ、膨大な店舗数を誇っている。人口あたりの軒数は、①宮崎県②青森県沖縄県長崎県高知県大分県鳥取県秋田県山口県佐賀県となっている。九州方面が圧倒的なのには、目をみはるが、人口規模から見ると決して都市部ではない地域にこそスナックが多く、また西高東低の傾向が強いことが見て取れるだろう。ちなみに下位に目を転じると、45位が千葉県、46位が埼玉県、そして最下位は、奈良県
 
なにゆえスナックを「公共圏」という観点から眺めようとしたのか。地域の中で人びとが集まるスナックという場は、しばしば、目には見えない一種のメンバーシップの下で、完全に私的とは言い難い共同性によって結ばれたものだからである。古くから地元に根付いた人びとが集い、新聞・雑誌やテレビなどでは知ることのできないような地元の話が夜ごと話し合われている。地元の複雑な人間関係や商売の話、果ては選挙にかかわる政治の話まで、スナックでの話題は実に多岐にわたる。
 
店舗の名前で一番多いのは「さくら」で313軒。次が「あい」でその次が「はな」、ライムライトは119軒。オリジナリティではなく、一番よくあるものをつけるとか、お客さんにいわれたものをつけるとか、そういう適当なメンタリティ。客同士も何年間も常連で何年間も一緒に飲んでいるのに、ヤマちゃんとしか知らない。名前は知らないけど、その人が好きな酒や曲は奥さんより詳しい。人生のその部分だけをやたら知ってしまう。(笑)
 
「スナックは人生の学び舎」「スナックと「物のあはれを知る」説」「カフェーからスナックへ」「日本における酒宴という場」「スナックと「社交」の空間」など。

 

ほー!!!なるほどね〜。今度ひとりで飛び込みでスナック、行ってみようかなあ!でもカラオケ、嫌いだからなあ!(笑)オススメです。(・∀・)

 

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