「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「清張地獄八景」(みうらじゅん編)

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 ワタシの地元、金沢文庫金沢八景。人生の中でイチバン長く住んでいていて、もう28年になる。さてこの本。ナヌっ!?松本清張「地獄八景」とは!?c(`Д´と⌒c)つ彡

 
みうらじゅんの清張愛炸裂!人間の業や深い闇を暴き出す清張は、ホラー作家だ!
押したら最後、底無しの「生き地獄」へ転落してしまう「清張ボタン」とは?

松本清張の大ファンであるみうらじゅんが様々な媒体で書いてきた清張論や対談などの記事、イラスト、なりきり小説を中心に、「文藝春秋」や「週刊文春」、「オール讀物」に掲載された清張に関する記事を厳選して一冊に。松本清張の小説世界、人柄、映像作品の魅力がよくわかるので、清張ファンはもちろん、未読の人の入門書としてもおすすめ。「清張地獄」に堕ちたくない人はぜひ!」そのエッセンスを紹介しよう。

 

地位と金を「成功」の象徴と捉える人はいずれ清張地獄に堕とされるそれを得たという満足感が油断を招くからだ。僕は30代半ばから、清張小説を反面教師ならぬ、反面清張と思って読んできた。かく言う僕も、清張地獄行き確定な人生を歩んできたからである。清張地獄とは新でからの地獄ではない。生き地獄のことだ。その見とるぞ見とるぞ”という呟き声の主はもうひとりの自分であるからして、そんな悪考もすぐにバレてしまう。要するに裁くも、裁かれるも自分なのだ。
 
清張の作品は、家庭を持ってから読んでほしいということです。作品の核をなしている要素の一つに「不倫」というものがあるからです。え?そんなのは僕の独断と偏見だと?いやいや、そんなことはない。ほとんどの清張作品の根底には、女にまつわるどろどろの痴情話が、程度の違いこそあれ、通奏低音のように流れているのです。
 
・経験のある方はご存知だと思いますが、不倫カップルというのは、一目を避けたいがために、なにかと「旅行」に行きたがります。そういう時に限って……アクシデントが起こる。台風が来て止まって帰れなくなるという、大岡昇平武蔵野夫人』 ばりの展開になるのです。
 
・清張の作品には、トリックの妙よりももっとすごい魅力があるということ。時間がたっても古びない「普遍的な要素」がたくさん含まれています。ドロドロの「野心」保身に走る「気の弱さ」、他者を蹴落としてのしあがろうとする「功名心」……清張は人間が生きている限りまとわりついてくるこうした「負」の要素を、「これでもか!」というくらい暴き出してみせた。そのあたりがリアルだからこそ、清張作品はいつまでも色褪せず、怖いくらいの存在感をもって、輝き続けているんでしょう。
 
『たづたづし』の主人公。「課長になったうれしさがあり、32というと、そろそろ浮気もしたくなるころである」とまで語っておられる。(笑)
 
・清張作品が教えてくれることは、幸せなんてものは不安の止まり木に過ぎない」ってことでしょ。(笑)
 
『清張地獄』に落ちる最大の原因は自分にだけ真面目ということなんです。結局他人には不真面目ですからね。それは自分の守るものだけが幸せであればいいという考えになります。
 
清張作品に出てくる一番怖いシチュエーションはやはり二重生活と思うんです。どちらを選んでも大変なことになるんだろうけど、その転ぶ前の二重生活の怖さといったら……。
 
「清張さんの小説は犯罪者も普通の顔して、その辺にいるんだもんね」「そう、どこにでもいるサラリーマンとか普通の主婦たちなんでうしょ。横溝とは乱歩が書くのは、100メートル先からわかる怪しい人というか(笑)。」
 
松本清張「小説家は人に好かれるべからず」
 
松本清張「醜男であったこと、女にモテなかった。このことがまた、菊池寛の文学を作り上げた」
 
山村正夫「清張さんは、一つの作品を書き終えて次の作品に切り替えるときに、頭を空白状態にする必要があるんだけど、それにはパチンコが一番向いている、というんですね。でも、やっぱり景品を取りたいんです。何億と税金を納めている人が、3千円をスッて頭にきている(笑)。
 
「いい崖出してるツアー」
 
みうらじゅん的20選「清張文学とはボブ・ディランの歌であり、仏教書である」
 
ゼロの焦点」「証言」「たづたづし」「内海の輪」「書道教授」「事故」「遠い接近」「黒い福音」「赤いくじ」「天城越え」「恩誼の紐」「潜在光景」「小説帝銀事件」「月」「駅路」「二階」「絵はがきの少女」「巻頭区の女」「遠くからの声」「鬼畜」
 
みうらじゅん松本清張の悪夢 痕跡」
 
・「火の記憶」「霧の旗」「眼の壁」「熱い空気」「坂道の家」「馬を売る女」「あるサラリーマンの証言」
 
菊池寛「入れ札」「忠直公卿状記」
 
「俺は命の恩人だぞ」と妻に言っていた。松本直子
 
さっそく松本清張全作品読破を決意いたしました!短編の『二階』、読みましたよ〜!たしかにこの話はスゴイなあ……。リアルだなあ……。やっぱり松本清張はスゴイっ!オススメです。(・∀・)

 

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