「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿」(ほしおさなえ)

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菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿 (ハルキ文庫 ほ 5-3)
 

新潟の大雪のテレビ映像を見て、雪に埋もれている民家や雪の重みでなぎ倒されている木々を見て、新潟に住んでいた子供のころの原風景が思い浮かんだ。新幹線も関越自動車道も通ってなかったころ。冬は毎日、陸の孤島両親や祖母雪の中を歩いて、歩いて、松之山温泉の共同浴場までお風呂に入っていった。帰る時間には、せっかく温まったカラダが冷えてしまった、あの頃の光景が。(・∀・) そして新潟を離れて数年後、雪の重さでワタシの生家は崩壊してしまった……。

 

あの頃、牛ちゃんや鶏ちゃんと同じ屋根の下に住んでいた。あの時の古い家。暗くて、藁と土の臭いが沁み込んでいたあの家。今、タイムスリップをして出会えたら、どんな会話をするのだろう!?

 

さて、この本。 「同じ造りの二軒の家の片方が焼失して十余年。残された〈二軒家〉は川越の「町づくりの会」によって、昭和の生活を紹介する資料館として改修されることに。片付けのボランティアに参加した守人は、家の声の導きで、天袋に収められた七段飾りのお雛さまを見つける。しかしなぜか、三人官女のひとつが欠けていた。雛飾りの持ち主を探す守人たちは、二軒の家に暮らした家族の想いに寄りそってゆく。過去を知り、未来に向き合う力へと変えつつある守人の歩みを描く。シリーズ第三作」そのエッセンスを紹介しよう。

 
「家の声って、いろいろなものが混ざっているような気がするの。いろんな人の声とかか、物音とか」
 
・「家の声はここに住んでいたいろんなものが混ざり合っでできたものなのかと思ってたの。だから、わたしも死んだらそのひとつになるのかな、って。ねえ、どう思う?」
 
「蚕の糸が白いのは、きっと蚕が一心に糸を吐くからだって。人に飼われて不自由なく餌を与えられて、なにも心配することがない。だから糸だけ一心に作る」
 
・ずっと、自分にはなにもないと思ってきた。まわりの人になにか良いものをもたらすことなんてできるはずがないと。喜代さんも田辺も、特別にがんばってなにかをしてくれたわけじゃない。彼らのあたりまえのいつもの姿を見せてくれただけ。だけどそのことで僕は救われた。それは間違いないことだ。だから、もしかしたら僕があたりまえにしていることで、だれかの助けになることがあるかもしれないそう信じてみようと思った。
 
さっき食べたじゃがいももそら豆もトマトも、あれは食べものじゃない、生きものだった。命をつながっている。だから、家族や生きていくなかで出会った命のことを思い出せるかもしれない。
 
「雛の家」ってこんな物語って会ったよね!?誰の作品だったか思い出せないけど。
 
「遠山記念館」来年は、行ってみよう!
 

もしかしたら、子どもは家と会話できるのかもしれない。お正月に家が静かなの理由がわかった。そうだったのかあ!ほしおさんの作品は何度も何度も読み返してみたい、味わってみたい。超オススメです。(・∀・)

 

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菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿 (ハルキ文庫 ほ 5-3)