「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「週刊文春 トップ屋魂 名物記者が語るスクープの裏側」(大下英治)

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毎日、毎日、コロナ、コロナでそれ以外のニュースがないのが淋しいというか、マンネリというか、つまらないよね。(笑)第一、プロ野球がないんだもんね。スポーツ新聞も週刊誌もネタがないわけだっ!

 

さてこの本。数々のスクープを連発している週刊文春の記者のハナシ。

 

「トップ屋」とは、各週刊誌で“巻頭記事”を執筆するフリーのジャーナリストやライターのことで、昭和30年代の週刊誌創刊ブームのころから、そう呼ばれていた。大下は、昭和40年代から50年代にかけて週刊文春』のトップ屋として多くのスクープを生み出した。本書は、政財界から芸能、闇社会に蠢く“昭和の怪物たち”の裏の顔に鋭く迫った男が、その舞台裏を描いた大作ノンフィクション。社会に激震を与えたスクープはいかにして生み出されたのか?脈々と受け継がれる「文春砲」の秘密がここにある」そのエッセンスを紹介しよう。
 
わたしは『週刊文春』では、対象を厳しく切り刻み続けたが、その姿勢の底に温かさを失うことはなかったつもりである。大宅壮一さんの影響の強かった文藝春秋の伝統なのか、かならず斬りつける人の言い分を聞けという姿勢を学んだもしこの姿勢がなく、冷ややかに斬りつけるばかりであったら、物書きとして独立できなかったかもしれない。
 
テーマはひとつ。それははみ出すエネルギーを描いたことだ。はみ出すエネルギーは、はみ出さざるを得なかったエネルギーともいえる。たとえばナチスの総統ヒットラーはあれだけの狂的権力をふるったが、コンプレックスも激しかった。わたしは樹にたとえれば、地下を這っている根に興味を抱いた。表にあらわれた花が華やかであればあるほど、地下に這った根は深いその地下に這った秘められたコンプレックスの悲しみを描きたかった。文芸評論家の小林秀雄の言葉だけはいつも心に刻み続けている。その人の歌いたかった歌を、聴け」
 
・さらには、総理大臣を描くにせよ、会社のトップを描くにせよ、いつも自分に問いかけている。「果たして、おれが総理だったり、会社のトップだったら、彼より優れたことができるであろうか……わたしはさまざまな人間を描くことに挑み、絶えずおのれの能力のなさに打ちひしがれつづけた。また、相手を、これだけしか理解できないのか、いまも悩み苦しみつづけている
 
「なぜ、そんなに取材し、書きつづけるのか。特に何が楽しいのか」わたしは答える。取材相手にわたしが抱いている先入観が、相手にぶつかることによって、粉々に砕ける瞬間がある。昨日までのわたしの思いが、その瞬間に新しく生まれ変わるその瞬間がたまらなくセクシーなのだ」
 
週刊文春』のよさは「盗人にも三分の理がある」というニュアンスで、ただ一方的に批判するのではなく、問題のある人物の話もおもしろがって聞いてみようという姿勢だ。
 
・わたしはトップ屋となって、「一日五人主義」について教えられた。「仕事で、一日三人しか会わないなら、仕事以外で、あと二人に会え。一日、かならず五人に会うようにしろ。それも仕事以外で会う人は、スリだとか、ポン引きだとか、のぞき屋だとか、人殺しだとか、ふつうの生活を送っていない人と会え」
 
・「取材相手が『Aさんは、いい人ですよ』といったら、たとえば、どんな風にいい人ですか?』と訊くんだ。A子さんは、美人でねえ』というと、やはり『たとえば、どのような美人ですか?』と訊く。『眼のぱっちりした、鼻の高い、色の白い、派手な顔』というように、具体的に語ってくれる。そのように『たとえば?』『たとえば?』を連発し、具体的な話を語ってくれるんだ。
 
「取材メモには、まず、取材相手が、自分のことを『おれ』というのか『わたし』というのか『ぼく』というのか、はっきりメモしておくんだよ。その人の性格があらわれるからな。
 
 
「なぜ文春は、スクープを連発できるのか」「『週刊新潮となにが違うのか」「梶山季之城山三郎への思い」「三島由紀夫、自決の深層」「「なぜだ!?」三越岡田社長解任劇!」「小佐野賢治の帝国ホテル乗っ取り劇」「横井英樹のニュージャパン火災」「『白い巨塔田宮二郎M資金」「ジャニーズ・スキャンダル」「佐良直美のレズ同棲」「島倉千代子を操る細木数子」「タブーへの挑戦」など。

 

なーるほど!これはビジネスの世界のインタビューにも使えるねえ。オススメです!(・∀・)

 

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