「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「無理難題が多すぎる」(土屋賢二)

全作品読破している、哲学者のツチヤ教授、ツチヤ師こと、土屋賢二さん。独特の文体と皮肉とたとえ話とオチにハマっている。(・∀・)週刊文春に連載しているんだねえ。知らなかった。「ツチヤの口車」をまとめた一冊。そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
土屋賢二1944年、岡山県玉野市にて、十月十日過ごした母親の胎内から追い出される。長年勤めたお茶の水女子大学を、定年を過ぎてから追い出され名誉教授になった後は、東京からも追い出され、神戸の地に暮らす。家族からは、まだ追い出されていない。
 
いかなる予測もすべて外れる。とくに希望的予測は外れる運命にある。どんなに確実な予測だと思っても、その通りになることはない。もし希望的予測の通りになるなら、わたしはいまごと天使のような妻をもつ大富豪で、出す本がすべてベストセラーになっているはずだ。
 
・参考までに、読者の反応を付記しておく。とても勉強になった。こんな文章を書いてはいけないとよく分かった」「『文は人なりということばの意味を初めて知った。先生のような人柄だとこういう文章しか書けないんだと実感できました」「先生の本に出会ったときは衝撃でした。もう二度と出会えないでほう。それを祈っています」「くだららい内容を下手に表現している。買って損した」
 
・妻の偉大さ、第一に強い。強さは偉人や暴君に見られる特徴だ。妻は危険に強く、震災のときには食欲が増すほどだ。まるで厳冬に備えるクマだ。つねに自分を貫き、他人にすり寄らず、人目など気にしない。自分は完璧だという自信に満ちあふれているのだ。その唯我独尊的態度はまるで釈迦だ。キリストだ。ヒトラーだ。なぜ目に余る欠点を抱えた女が自分を完璧だと思えるのか不可解だが、たぶん他人の欠点を指摘するのに忙しすぎて、自分の欠点に目を向ける余裕がないのだろう。方向は逆だが、医者の不養生だ。
 
自分の住んでいる神戸は住心地がいい。都会だから人は多い。親友はいないが、山と海に挟まれたわたし好みの地形だ。たしかに窓からは山も海も見えないが、人家の屋根が見える。めったに行かないが、近くにコンビニもある。近くを流れる川の水量は数十年前には大洪水になるほど水流が豊かだった。携帯で話す相手はいないが、携帯の受信状態は良好だ。まったく利用しないが、世界のブランドショップがそろっている。夜は出歩かないが、深夜まで営業している飲食店が多い。朝は寝ているが、喫茶店のモーニングサービスが充実している。酒は飲めないが、銘酒の産地だ。買ったことはないがケーキ店が多い。交流はないが、裕福で上品な人が多い。詳しくは知らないが、近くには多数の史跡がある。飛行機には乗らないが飛行場が近い。一度もいったことはないが東京スカイツリーに日帰りで行ける。書けば書くほど住心地がいいという確信が強まった。
 
・「あの張り紙を見よ。〈特性カレーライス 手作り!〉」と書いてある。手作りが美味しいなら、家庭料理はすべておいしいことになるわたちの妻の料理がおいしいのであろうか。
 
・長期間しゃべらないでいると、口が回らなくなる。逆にしゃべってばかりいると黙っている能力が失われる。忘れる能力もほしいから、ときどき忘れることも必要だ。使わない機能は「必要かと思って用意したのに要らないの?要らないなら削除するね」と簡単に削除されてしまう万一死んですべての機能を使わなくなると、機能が全部削除されてしまうから、死ぬのは考えた方がいい。能力を失いなくなければ、無駄な機能でも、使い道がなくても、使い続けるしかない。人間には無駄がないと生きていられない。
 
・女は健康教室やヨガに行く。女は夫以外の先生から学ぶことが好きだからいい。だが男は、男から学ぶのは嫌いな上に、団体行動が嫌いだから教室は無理だ。
 
・幸福は一朝一夕には得られない。毎日の習慣の積み重ねが不可欠だ。『成功する人の七つの習慣』など啓発本、成功本を読破する。読破したら実行する。何一つ実行できないことが判明したら、近刊拙著『習慣をつけるための八百の習慣』を読む。これで万一ダメなら、近刊拙著『こんどこそ習慣をつける千三百の習慣』、続刊『決定版!絶対確実に習慣をつける三万の習慣』を研究されたい。あきらめるのは早い。近刊拙著習慣がつかなくても平気でいられる五十の習慣』を熟読されたい。
 
・昔の教え子に確かめた。「人格者の男は嫌い?」「人格者はイヤです。かといって先生みたいな人もイヤです」そんな言い方だと、まるでわたしが人格者じゃないみたいじゃないか」そんな言い方をすると、まるで先生が人格者みたいじゃないですか」
 
・早合点は避けたい。第一、恥ずかしい。わたしの妻はアジの開きを、カレイやヒラメのような平べったい魚の一種だと長年信じていたしい。わたしも昔、湯葉をご馳走になったときこれはどんな木になるんですか」と質問した。
 
・わたしのまえがきは通常、①実力を十分発揮できなかった、②しかし最善を尽くした、③有意義でも名文でもない、④にもかかわらず買う価値がある(あるいは買わないと大変なことになる)の四点を書いている。
 
・狭い路地の奥にあるこのラーメン店、まさに男の隠れ家です。ご主人、髪を後ろで束ねてポニーテールにしておられますが、何かこだわりが?散髪屋に行くのが面倒?なるほどハゲ……毛が足りないんですね。散髪の時間も惜しんでラーメンに打ち込んでいるということでしょう。ご主人、このスープを作るのにどれぐらい時間をかけているんですか?えっ、二十分?……ま、時間をかけてば味がよくなるわけじゃないですからね。えっ?麺の方が時間がかかる?スーパーで買った?スーパーまで30分かかるんですか?そこの麺に何かこだわりがあるんですか?安いから?いやー驚きました。
 
・成人病にならないための一番の予防法は、①生まれてこない ②年をとらない、③年をとっても成人にならない、④病気になる前に死ぬ、だ。それが無理なら、若いころから健康的な生活をするしかない。
 
「自然を守れ」と叫ばれるが、自然の中に含まれる台風、地震、不毛の砂漠、ウイルス、巨大隕石なども守れというのか。絶滅危惧種を救え」と言われるが、天然痘ウィルスやペスト菌のようなものまで絶滅から救うのか。自分に忠実に生きろ」とも言われるが、万引衝動や殺人衝動を抑えるなと言いたいのか。「愛が救う」と言うが、ストーカーの愛、狭量な愛国主義小児性愛も何かを救うのか。「向上心をもて」と説く人は、年金に頼りながら老々介護に明け暮れる高齢者や、無心に遊ぶ三歳児はどんな向上心をもてばいいのか教えてもらいたい。「結婚しろ」と言う人は、悪妻や暴力夫に苦しむ人をどう考えるのか。結婚生活の成功例を挙げた上で、どこに行けば理想的な結婚相手がいるのか教えてもらいたい。
 
 
その他、カップの歴史」「正しい願望のもち方」「なぜ衰えるのか」「健康になりたがらない男」「なぜ実行できないか」「想像の中の野球」「幸福になる五つの習慣」「時の流れ」「ツチヤ師、冒険を語る」「宿命の早合点」「まえがきの書き方」「気の毒なレポーター」「尊敬される理由」「罪にならない脅し方」「究極の成人病予防」「希望を捨てればすべてが変わる」「動物好きの女」など。

 

いいなあ。屁理屈の連発。(笑)今度、セミナーで使おう!(笑)オススメです。(・∀・)