いつも刺激的で、知りたかったことをわかりやすく教えてくれる森達也さんの本。今年は全作品読破を目指しています。この本は宗教の本。
「宗教とは不確かなもの。しかし「神さま」はその誕生以来、
・…神さま。考えたら不思議だ。神さまはどこにいるのだろう。 どんな顔をしているのだろう。いつもは何をやっているのだろう。 毎日働いているのだろうか。それとも遊んでいるのだろうか。 お風呂には入るのだろうかシャンプーは何を使っているのだろう。 食べものの好き嫌いはあるのだろうか。 そもそも食べたり飲んだりするのだろうか。 友だちはいるのだろうか。悩みはないのかな。 病気になることはないのかな。 この世界をどうしたいと思っているのだろうか。
・一緒に考えよう。でも考えるためには知らなくてはならない。 世界にはどんな神様がいて、どんな教えがあって、 なぜ人は神さまを信じる(信じたがる)のかということを。
・ 僕はオウムの信者たちを被写体にしたドキュメンタリー映画を撮っ た。そのときに多くの信者たちと知り合いになった。 そして今も彼らとは付き合いがある。 だから普段の彼らの様子も知っている。 そのうえであなたに伝えたい。知ってほしい。 多くの信者と知り合いになったけれど、 凶暴で残忍な人など一人もいない。 みな優しくて穏やかで思いやりにあふれていて、 この以上ないほどに善良な人たちだ。だから時おり、 彼らと彼らが起こした犯罪との関係がわからなくなってしまう。 でも考えなくては。これはとても大事なことだ。 ここは強調したい。彼らが善良で純粋であるからこそ、 あれほどに悲惨でおぞましい事件が起きたのだ。 だから考えなくてはならない。 優しくて純粋で善良な人たちの集団が、 なぜ多くの人を殺害したのか。 これほどの凶暴な事件を起こしたのか。 なぜ人を救うはずの信仰が、悲惨で残虐な事件に結びついたのか、 それはこの本の大きなテーマのひとつだ。
・神さまがいることを信じられる人は、 死の恐怖を和らげることができる。 死はひとつの通過点なのだと思うことができる。 だから与えられたこの生を、迷うことなく過ごすことができる。
・「宗教」とはそもそももが仏教の言葉だ。「宗」の意味は、 根本的な真理を知ることによって到達する究極の境地。「教」 はもちろん教え。だから「宗教」の意味は、 根本的な真理に至るための教え、ということになる。
・クリスマス・イブのイブはイブニング(晩)のこと。 当時は日没から次の日没までが一日の単位だった。 だから24日の夜に生誕を祝う。
・思い出してほしいのだけれど、 日本でも明治期から昭和期にかけて政治と神道が結びついたとき、 やっぱり多くの人が不幸になった。 だからあなたに実感してほしい。 宗教と政治権力が結びついたとき、ほとんどが( すべてとは言わないけれど)ろくでもないことになる。 昔の話しではない。今だってそうだ。
・そもそも宗教は、 現世の法や科学的知見とは乖離した存在であり、 カルト的な要素があることも、 同時にしっかりと知っておくべきだ。 極論すれあ宗教とカルトの違いは、 長い歴史を持つか持たないかだけといってもいい。 世界宗教といわれる仏教とキリスト教とイスラム教は、 長い歴史を持ち、いくつもの世代を重ね、 社会への適応を進めてきた。
・僕の結論・神さまはきっといる。そう思うことにする。 この宇宙のどこかに。僕やあなたのこの身体の内側に。 いつかどうかを悩んでも仕方がない。 たぶん誰にもわからないのだ。 でも僕の中に入れものはある。 ならばきっと中に入るものはある。それを神と呼ぶ人もいれば、 真理と呼ぶ人もいる。 無償の愛と表現する人もいるかもしれないし、 大いなる意志や自然の摂理とい言う人もいるかもしれない。 呼び方は何でもいい。その存在を信じなくてもいい。 神などいないと思ったとしても、 あなたの生活には何の支障もない。でもこれだけは知ってほしい。 あなたはひとりではないこと。つながっていること。 愛されていること。赦されていること。
三大宗教についてわかりやすく伝えていす。ワタシはやっぱりお釈迦様だなあ!敬虔な仏教徒だから。オススメです!(・∀・)