「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ゴリラの森、言葉の海」(山極寿一 小川洋子)

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ゴリラの森、言葉の海

ゴリラの森、言葉の海

 

 このタイトルをみて、「ゴリラ」と「言葉」と何の関係があるのか!?と思うのかもしれない!それが実はオオアリなのだ!!!(・∀・)

 

「野生の思考と小説家の言葉が響き合い、ゴリラとヒトが紡ぐ物語が、鮮やかに浮かび上がる。いざ、物語のジャングルへ……野生の眼を持つ霊長類学者とヒトの心の森に分け入る小説家。ある時は京都大学の研究室で、またある時は屋久島の自然の中で、現代に生きるヒトの本性をめぐって、いきいきとした対話が続けられた。野生のゴリラを知ることは、ヒトが何者か自らを知ること――。発見に満ちた知のフィールドワークが始まる」そのエッセンスを紹介しましょう!

 
心というのは人間の身体の中に宿っているんじゃなくて、外にあるんじゃないかといことです。人間の心というのは、自分だけではできない、なにかに出会ったときにできるしかも外にあるからこそ、ほかの人間と共有できる。
 
ゴリラの群れに入っていくためには、ゴリラにならなきゃいけないんです。人間のようにちまちま動かず、ゴリラより早く動いてはいけません。自分がゴリラになったつもりで振る舞いなさいと教えられました。
 
ゴリラもペットを飼えるんですよ。アメリカのココという有名なメスのゴリラはネコを飼っています
 
ゴリラって、体のハンディを悲しんだり、卑屈に思ったりは絶対しないんです。今ある自分の体を十二分に使って、できることを楽しむんですよ。過去の自分と今の自分を比較したりしませんから。相手と違う能力を前提にして、それを確かめ合いながらルールをつくりあげていく。そのルールは、お互いが楽しくなければいけないというルールなんですよ。
 
男女で思春期スパートの様相はまったく違います女の子は女の身体になる、でも子どもは産めない。男の子は精子も生産できるようになるから男としての生殖能力は確立される。しかし大人の身体にはならない。これは僕の想像なんだけど、女の子のほうはパートナーを見つけるためにまず女の身体になるじゃないかな。相手の男に、自分と将来生まれる子どもを守ってもらわなきゃいけないわけだから、信頼関係を築いて繋ぎ止める必要がある。そのための資本として女の身体があるんじゃないだろうか。でも、そこで産んでしまうと、本当に男が守ってくれるかどうか分からないから、まだ出産はしない。農耕社会や狩猟社会では、この年代はフリーセックスが多いんですよ。女の子は割りにいろんな男と性交します。妊娠しないから。そして結婚をすると身持ちが堅くなるんです。
 
人間以外の動物にとっては、不在、つまり自分の目の前から消えてしまうということは、死を意味します
 
絵本の中には絶対に殺してはいけない存在があって、それは子どもに食べ物を与えてくれる人なんだそうです三匹の子ぶた』でもお母さんは襲われないでしょう。それを殺してしまったら、子どもの世界は完全に破壊されてしまう。誰かが食べ物を与えてくれるという保証があるからこそ、子どもは生きていられる
 
「衣食住」って言うでしょ。暮らしの三要素ですよね。食と住は動物にも人にも必要で共有しているものですが、「衣」は身にまというもので、個人の好みなんです動物と人で共有する部分がありません。だからこそ「衣」は、自己主張につながるわけです。
 
車に乗るようになって、僕らの世界は一変しました車の道というのはまっすぐつけます。でも人の歩く道って、まっすぐで平らじゃなくてもいいんです。上がったり下がったりしている方が、かえって疲れないちょっと曲がっていたり、景色がちょっと変わった方がいい。昔の山道は峠の坂道というのがあったりして、ちょっと歩いて、また少し休みながらいけるようになっていたと思うんです。人の体力に合わせて作られていました。歩くことは大事です。物事をよく考えられるんですよ。妄想も含めて、いろんな考えが頭に浮かぶんです。
 
ゴリラの生態を知ると人間の生態が見えてくる!これは実にオモシロイ!オススメです!(・∀・)♪

 

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ゴリラの森、言葉の海

ゴリラの森、言葉の海