この本はいい!ウワサどおりだった!実に、オモシロイ!あの「グリコ・森永事件」の真相ってこれかもしれないっ!!!(@_@)!!!
「京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われたテープとまったく同じものだった。「ギンガ萬堂事件」の真相を追う新聞記者と「男」がたどり着いた果てとは。渾身の長編小説」そのエッセンスを紹介しよう。
・「何であんな事件が起こってしもたんですかね」ずっと追い続けてきた事件が、自らの手を離れていくようで、阿久津は一抹の寂寥を覚えた。そして、一つ目の節目を迎えたのだと思うと、体の芯から疲れを感じた。
「俺らの仕事は素因数分解みたいなもんや。何ぼしんどうても、正面にある不幸や悲しみから目を逸らさんと『なぜ』という想いで割り続けなあかん。素数になるまで割り続けるのは並大抵のことやないけど、諦めたらあかん。その素数こそ事件の本質であり、人間が求める真実や」
・千代子は体を震わせながら、膝の上で握り締めていた巾着袋をテーブルの上に置いた。そして、中から小さな青いスポーツカーのおもちゃを取り出した。聡一郎がハッとしてすぐにそれを取り上げた。「これは兵庫県の作業員寮に住まわせてもらってたとき、私の誕生日に聡ちゃんからもらったものです。何もあげるもんないからって、大事にしてたこの車をくれたんです……」涙声で話す千代子の傍らで、聡一郎はなども頷いて再び漏れた目から涙をこぼした。「これ……、ギンガのキャラメルのおまけなんです」
この本の隠れたテーマは親子愛だ。ラストシーンは涙が出る……TV版の中居くんの「砂の器」のラストで和賀英良が父親に会うシーンを彷彿させる……「グリコ・森永事件」も解決できそうだよね!?今年のベスト10間違いなし。超オススメです。(・∀・)!