若い頃、暗唱した「平家物語」「枕草子」「徒然草」「方丈記」「源氏物語」の冒頭は、未だに覚えているけど。何百年前の日本語って美しいよね。それに比べて私たちが職場などで使う言葉は、お世辞にもきれいとはいえない。(笑)
さてこの本。「日本語・日本文学に造詣の深い画家と数学者による対談集。古典や唱歌・童謡から日本語のもつ美しさ、奥深さを語り合い、すべての思考・学問・教養の基地となる日本語を学ぶことの意味を、存分に伝えていく。森鴎外『即興詩人』からは文語の素晴らしさを、落語からは高度なユーモア、唱歌・童謡からは文化の継承、と様々な角度から日本語をみていく新しいタイプの入門書」そのエッセンスを紹介しよう。
(藤原)大学一年生を相手に読書ゼミをやっています。もう十年。 条件は、まず一週間に岩波文庫を一冊読むだけの根性、 それから一週間に岩波文庫を一冊買うだけの財力。 これに怖じけない子だけがくる。読む本は私が一方的に決めます。 教室では民主主義は存在しません。私が「これを読んでこい」 と命令する。
新渡戸稲造「武士道」内村鑑三「余は如何にして基督信徒となりし 乎」岡倉天心『茶の本』鈴木大拙『日本的霊性』山川菊栄『 武家の女性』新しい方では『きけわだつみのこえ』宮本常一『 忘れられた日本人』無着成恭『山びこ学校』『 戦没農民兵士の手紙』『福翁自伝』などです。
・「鳩」という字は「鳥」「九」と三つ並べると、 最初に読めるようになるのは「鳩」その次は「鳥」で「九」 が最後。子どもにとって字画数は関係ない、 具体的なものはアッと言う間に読めるようになってしまうという。
・(安野)いまにして思うと、 暗唱というのは馬鹿になりませんね。 その効果が出てくるのには時間がかかります。潜伏期間が長い。 鴎外がドイツへ行ったのが22歳でしたか、 そのころになって効いてきて『独逸日記』 なんかは漢文で書かれているため、私には読めません。
・話は変わりますけれども、日本人は素数が好きなんです。 五七五とか五七五七七とか。五も七も素数だし、 五七五を足すと十七、五七五七七を足すと三十一、 三三七拍子も足すと十三と、みんな素数。不思議に思います。 日本人にはこのリズムが合う。
(安野)桂枝雀が枕に言うんです。「笑いは健康のためにいい」 これは医学的にも証明されている。「だから、 あなた達は笑いにきている。笑うのは自分の健康のためだ」「 あたしの話が面白いかどうか、と言うこととは関係なく、 笑ってもらいたい。自分のために笑う方がいい。 それは健康のためだし、私にも都合がいい」
ここに上げた本、読んでないなあ…コレを期に読むか!オススメです!(・∀・)♪