「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「独裁者の最強スピーチ術」(川上徹也)

 


独裁者の最強スピーチ術 (星海社新書)


この本は、人前でしゃべるセミナー講師、トレーナー、インストラクター、先生、政治家は必読だねー!(・∀・)


「人の心を操りたいすべての人へ。本書は独裁者に学ぶスピーチ術の本。ただ、スピーチのみならず、人の心を動かしたい人にとっては非常に有効な人心掌握術の本。独裁者は、なぜ「言葉だけ」で世界を動かすことができるのか? 悪名高い独裁者であるヒトラー。そして現代日本「独裁者」と呼ばれている橋下徹。この二人の演説を中心に、ストーリーブランディングの第一人者である著者が徹底分析。多くの人を行動に導く秘技をあぶり出す。優れた演説に共通する「人を動かすストーリーの黄金律」とは何か。「人を動かすための武器」をここに授けよう」そのエッセンスを紹介しよう。



・今日、良くも悪くも「独裁者」として有名になった政治家がいる。大阪維新の会橋下徹である。橋下は「言葉の力」を駆使して、2012年4月現在、日本で一番注目される政治家となったといえるだろう。演説、スピーチ、記者会見での言葉の遣い方、どれをとっても、今、日本の政治家で群をぬくうまさだ。(唯一対抗できる可能性を感じるのは、自民党衆議院議員小泉進次郎だけだ)


・橋下の演説やスピーチを分析してみるとある事実が浮かび上がってくる。それは、橋下が感動のツボを押す法則「ストーリーの黄金率」を巧妙に使っているということだ。人間はすが大好きな動物だ。文字が発明される以前から、ストーリーを語り続けてきた。世界中のどの民族にも、語り継がれてきた神話や民話がある。それはストーリーという形式が、人間の記憶に残りやすく、心を動かすことを知っていたからだ。


・独裁者になるためのスピーチ術10カ条


1 何よりも本人が「熱」もて
2 自分の政策を心に残るワンフレーズで表現し、それを繰り返せ
3 国を欠落した主人公にしたてあげ、それを救う白馬の騎士を演じろ
4 具体的な政策は語らず大衆に夢をみさせろ
5 かんらず敵をつくれ その敵をできるだけ巨大化せよ
6 2つのストーリーを交錯させ錯覚させよ
7 聴衆のプライドをくすぐれ!聴衆が心の中で思っていることを話せ!
8 目の前にいる人間の利益になることを話せ
9 強い権力者にはへつらい媚びよ 用がなくなったら捨てよ
10 自分に風が吹いているあいだに、なるべく権限を使え


・すべての前提になる大切な条件がある。それは政治家本人が持っている「熱」だ。本人に熱がなければ、人は絶対に動かない。本人に熱がなければ、支持者は絶対に増えていかない。聴衆の感情が動くのは、理性からではなく、政治家本人の熱い感情に触れるからである。本人の熱が強ければ強いほど、まわりに熱が伝わりやすくなる。バーベキューの炭火を熾すのと同じことだろう。炭は人の心だ。そもそも政治家本人の熱が、どのようにしたら生まれるのか?まずは本人が「信念」を持つ必要がある。その信念をどうしても実現させたいという「志」があるからこそ、「情熱」がうまれるのだ。


・自分の政策を心に残るワンフレーズで表現それを繰り返せ

→政策はワンフレーズのスローガンで表現しないと国民に浸透していかないし、当然伝わっていかない。池田勇人所得倍増計画」」「田中角栄日本列島改造論」」「小泉純一郎郵政民営化」」「橋下徹大阪都構想」」などである。しかし美しい国」「自立と共生」「安心と活力ある社会」まどでは記憶に残らない


・「ストーリーの黄金律」


1 何かが欠落した、もしくは欠落させられた主人公が
2 なんとしてもはりとげようとする遠く険しい目標・ゴールをめざして
3 数多くの障害・葛藤・敵対するものに立ち向かっていく


橋下徹流 人をとりこむスピーチ術10カ条


1 一人称を「僕」にし、無駄な敬語は省く(政治家はほとんどが「わたし」か「わたくし」だ。また「させていただきます」「所存でございます」などの無駄な敬語は使わないので、旧来型の政治家とは違う清新な印象を与えている)

2 みなさーんと何度も呼びかけ連帯感をつくる(呼びかける速度も、顔の表情や向きも変えて、できるだけ違うトーンで)

3 3つ並べる
(「ヒト・モノ・カネを大阪に集める」「医療・福祉・教育」を充実させる)

4 サウンドバイトで心にかみつく
(「大阪都構想」世界の一等地、アジアの一等地」「大阪市役所をぶっ壊す」)

5 似た構文をリフレインしていく
6 偽善的に振る舞う
(「独裁者橋下ここに誕生せり」「アホボケカスのメールはよく来ますしね」「どうか皆さん、我々人柄の悪い、しかし実行力はある橋下と松井一郎幹事長に」)


7 聴衆によって言葉づかいや内容を変える
8 実施する政策が歴史的大事業だと思わせる
9 聴衆を自分たちに側に巻き込んでいく
10 一度チャンスを与えてくださいとお願いする


・もし、橋下の政策や手法が気に入らないという政治家がいたら、ただ批判するだけではなく、対抗できるだけの「言葉力」「スピーチ力」を身につけて、彼とは別の魅力的なストーリーを語ってほしいと思う。


アメリカの元大統領、ビル・クリントン「政治は民衆によいストーリーを与えることだ」とかたった。確かに民衆は政治家に「ストーリー」を求めている。よいストーリーを与えてくれる政治家を熱望していると言っていい。


・昔「芸能人は歯が命」というヒットCMがあった。それになぞらえて言うならば、「政治家は言葉が命」だと、つくづく思う。


すぐに実践できるね。この本をベースとしたセミナーが出来るね。オススメです。(・∀・)


 


独裁者の最強スピーチ術 (星海社新書)