「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年」(小松政夫)

 


昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年


子どもの頃、大好きだった小松政夫伊東四朗のコント。「笑って笑って60分!」「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」は、ホント、オモシロカッたよねー!(・∀・)
そして、クレージーキャッツ植木等の全盛時は残念ながら、見ていない……。


さて、この本。昭和の芸能界を駆け抜けた2人の男の師弟愛。「役者を志し19歳で上京した小松政夫は、22歳で植木等の運転手兼付き人となる。月収10万円(大卒初任給が2万円といわれた時代)を超える車のセールスマンから、月収7000円の運転手兼付き人生活に。それでも師・植木等と過ごした3年10ヶ月は、小松政夫にとっては猛烈に楽しく、なにものにも替え難い実りの多い時間だった。今年75歳を迎えた小松政夫が、テレビ黎明期のきらびやかな芸能界の話を交えつつ、植木等との43年間の師弟関係を語りきる」そのエッセンスを紹介しよう。


・博打の嫌いな親父さんはアルコールもダメ。下戸でした。「おまえはいいよな。俺と違って酒が飲めるから、一日のけじめが付くもんな。ビールでもキューッと飲んで酔えたら、たまらないだろうな……俺なんか饅頭食って、お茶飲んでおしまいだよ。分かるか?」



おまえはウケなくても七転八倒やってきた。お客さんが笑わなかったら、笑うまで何とかしてやろうっていう努力がね、すごかったよ。


俺のマネをしたってダメなんだよ。芸は手取り足取り教えるものじゃない。あそこはこうしたらいい、といういのは個人の差だ。俺は演出家ではないから、そういうことは言わない。それより、人の芝居をよく見なさい。「ああ、あの人の芝居が好きだなあ」と思ったとき、その人をよく見ていればい、それは身につく。感じたらモノマネをすればいい。好きな俳優の芝居をよく見て、良いところを吸収するんだ。暇があったら、その好きな人の芝居をジーっと見なさい。


俺の名前の等は、平等からつけられたんだよ。親父が坊さんだったから、御仏の前では万人が平等という意味だろうな



・「おまえがな、頑張っているのをテレビで観ているぞ。俺な、今、暇だからテレビばっかり観てるんだ。おまえが活躍してるとな、うーん、やってるなあ。よーし、俺も。もう一発頑張んなくちゃいけねえあなって、いつも思ってんだ」あの天下の植木等が……。そう思ったら、聞いているうちに、思わず嗚咽が漏れそうになりました。「すいません。ちょっと、お借りします」席を立ち、トイレに行ってひとりで泣きました。


・「親父さん、本当にお疲れ様でございました。見ていらっしゃいますか?親父さんのお別れの会にこんなに大勢の方が来てくださいました。お別れの会ってこんなにおもしろいもんだったでしょうか。涙を流す人はひとりもおりませんが、笑う人は大勢見ております。これはやっぱり親父さんらしいお別れの会だっなっていうふうに思っております。私は植木等のそばで40数年間仕えられたことを一生の誇りだと思っております。心をこめて、親父さん、ありがとうございました。そしておやすみなさい」


いいなあ……美しい師弟愛だなあ……憧れるなあ……。オススメです。(・∀・)


 


昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年