「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「辞書になった男 ケンボー先生と山田先生」(佐々木健一)


辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)


いや〜この本はスゴい!感動したっ!!!今年のベスト3入りは間違いないっ!!!(・∀・)!!!


見坊豪紀、1914年生まれ。国語学者にして稀代の天才辞書編纂者山田忠雄、1916年生まれ。国語学者にして反骨の鬼才辞書編纂者。一冊の国民的辞書(『明解国語辞典』)をともに作ってきた二人は、なぜ訣別し、二つの辞書(三省堂国語辞典』『新明解国語辞典)が生まれたのか?昭和辞書史最大の謎に迫る。二人の国語学者がいかにして日本辞書史に屹立する二つの辞書を作り上げたかを二人の生涯をたどりながら、追いかけたノンフィクション。二人が辞書の世界に飲みこまれていくさまは壮絶ですらある。そのエッセンスを紹介しよう。


・辞書に人生を捧げた二人。これは日本を代表する二冊の辞書の誕生と進化を巡る、二人の男の情熱と相克の物語である。一人は新明解国語辞典の生みの親、山田忠雄。それまでの常識を覆すユニークな語釈や用例を記した「辞書界の革命児」山田先生。辞書を読むものに変えた



もう一人は累計約1000万部を誇る三省堂国語辞典の生みの親。見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)ケンボー先生。145万語という桁外れのことばの用例を集めた、戦後最大の辞書編纂者。



「事実は小説より奇なり」ではなく「字引は小説より奇なり」の連続であった。長らく「影」の存在だった国語辞書とその誕生を巡る二人の物語に「光」をあてていこう


よのなか【世の中】


人々がお互いに関わりを持って住んでいるところ
世間の人々の間、また、社会の人間関係


よのなか【世の中】


愛し合う人と憎み合う人、
成功者と失意・不遇の人とが構造上同居し、
常に矛盾に満ちながら、
一方には持ちつ持たれるの関係にある世間


他にはない独特な文章で語りかけるこの辞書はただの辞書でない。今、日本で最も売れている国語辞書なのだ。その名は新明解国語辞典略して『新明解』


れんあい【恋愛】


男女の間・の 恋したう愛情(に、恋したう愛情がはたらくこと)


れんあい【恋愛】  


特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる。(まれにかなえられて歓喜する)状態。


みず【水】


水素二、酸素一の割合で化合した、無色・無味の液体。地球の表面の大部分をおおう。


みず【水】


われわれの生活になくてはならない、すき通ったつめたい液体。


・いいですか。これは強調しておきますけどね。客観的な記述を心がけていたとしても、編纂者の人生経験や思想、考えていることなどが自ずとにじみ出てくるものなんです。主観的な記述だから表れてくるんじゃない。客観的な記述を試みていても、出てきてしまうものなんです。


その他、「謎の日付 一月九日」「なぜ新明解のような語釈や用例が書かれたのか」「桁違いの用例採集」「見坊に事故有り!?」など。


うーん……スゴい……辞書ってこうやって作るんだあ……。人生を辞書に掛けるってスゴいわー!!!超オススメです。(・∀・)



辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)