「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「いつか伝えられるなら」(画・鉄拳 作・つたえたい、心の手紙)


いつか伝えられるなら


最近ネットでも話題になっている鉄拳のパラパラ漫画って泣かせるよね……。このハナシは知りませんでした……。(T_T)


「亡くなった大切な人への想いを綴った手紙を募集するプロジェクト「つたえたい、心の手紙」(くらしの友・主催)。その受賞作品が、あの鉄拳によってパラパラ漫画化。主人公は子供の頃から父親の愛情をたっぷり受けて育った、ひとりの女性。大人になってから、結婚・離婚・出産を経験した彼女の傍には、いつも父親の愛がありました。しかし、時は過ぎて、年老いた父は認知症を発症します。
――誰の心にもある「もしもあのとき言えたら…」という想いを見事に描き切った感動作」そのエッセンスを紹介しよう。


お父さんは愛でできている。小さい頃から、そう思いよったよ。


私が小学校の頃、尿検査でおしっこを入れるしょうゆ入れみたいなのの赤いふたが無いって大騒ぎしたことがあったやん。私がわあわあ泣きよったら、お父さん、「淳子ちゃん、泣かんでよか」ってどっかからコルクを持ってきて、削り削り入れ物に合わせてふたを作ってくれたもんね。なんか妙な形やったけど、おしっこがこぼれんようなちゃんとしたふたやった。次の日一人だけコルクのふたで検尿を出したけど、恥ずかしいやら自慢やら。優しかったあ。お父さんは。 〜中 略〜


私が離婚を決めたときも、何も言わず何事もなかったように、全て受け入れてくれたね。親不孝な娘やんね、私。父親のいない子を産む決心をした時もそう。穏やかに、いつもと同じ笑顔で私たちを守ってくれた。それなのに、お父さんの優しさが辛くて、ちゃんとありがとうって言えんかった


だから、お父さんの認知症が進んで、夜中にトイレに連れて行ったりお尻を拭いてあげたりするようになった時、涙が出るほど嬉しかっとよ。お父さんは何度も「ごめん」って言いよったけど、私は喜びで胸が震えるほどやった。やっと恩返しができるっちゃもん。でも、ほんの短い期間の介護生活の後、病院のベッドで眠り続けて、そして逝ってしまったね。私になんちゃって介護の思い出を残して。私の罪悪感を少しでも軽くしようと思ったっちゃろ? お父さん。


どこまでも優しいお父さん。お父さんは大きな愛の人。私もお父さんみたいな愛の人になるけんね。だって、お父さんの愛から生まれて愛で育った娘やもん。


動画でも見られます。
https://youtu.be/OOEyKaXznAE


この心温まるタッチ。いいよねえ。動画もいいけど本もいいよ。オススメです。(╹◡╹)



いつか伝えられるなら