私の尊敬する漫画の神様・手塚治虫氏。「ブッダ」「火の鳥」「ブラックジャック」など大好きな作品だが、いままで晩年の作品はあまり読んでなかったので、最近、読みだしてみると、どうしてどうして!(・o・)!
「奇(あや)子」「きりひと讃歌」「アドルフに告ぐ」など名作揃いではないか!
そしてこの本もまた名作だ。幕末に実在した手塚治虫の曽祖父でもある蘭学医・手塚良仙の息子の良庵と、府中藩士の伊武谷万二郎の両主役の歴史物語。
西洋医学が進んでいない江戸時代、漢方医が幅を利かせていた。しかし天然痘や異常分娩などその頃の不治の病に立ち向かう、蘭学医たち。時代が大きく変わっていく中、古い常識との戦いがはじまる…。
福沢諭吉、西郷隆盛、吉田松陰、勝海舟なども登場する幕末裏面史なのだ。
・「この桜の木を見なさい。これはこの富坂でも一番の老木だそうでな。
なんでも家康公御入国の際、若木だったそうな…つまりこの樹は徳川300年を生きてきたことになるな。
ここは日当たりもええし、風も強うない…。
この桜はぬくぬくと三百年太平の世に
安泰を保ってきたわけじゃ…ところが知らぬ間に、これこのとおり、白蟻や木喰い虫の巣になってしもうたわい。
もうこれはあと十年ももつまいて。徳川幕府はこの陽だまりの桜の樹のようなものじゃ…」
・(福沢諭吉)あちらの文明や軍備にくらべりゃ日本など月とスッポン チョウチンに釣り鐘よ。おれは閣老のじじい共なんざ相手にしちゃいない。おれは真の新しい日本をしょって立つ外国とも堂々とわたりあえる若い人材を育てる学問塾をつくる!おれの塾だぞ!
いいなあ、手塚先生…。全作品を読破したいなあ。オススメです。(・∀・)!