「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「サピエンス全史 (上)文明の構造と人類の幸福」(ユヴァル・ノア・ハラリ)

 


サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福


この本、じっくりじっくり10日間くらいかけて読みました。スゴい!今年のベスト3入りは間違い無しっ!!!(・∀・)


「私たち現生人類につながるホモ・サピエンスは、20万年前、東アフリカに出現した。その頃にはすでに他の人類種もいたのだが、なぜか私たちの祖先だけが生き延びて食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いた。40歳のイスラエル歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』は、この謎を三つの重要な革命──認知革命・農業革命・科学革命──を軸に解き明かす」そのエッセンスを紹介しよう。


・135億年前、いわゆる「ビッグバン」によって、物質、エネルギー、時間、空間が誕生した。私たちの宇宙の根本を成すこれらの要素の物語を「物理学」という。物質とエネルギーは、この世に現れてから30万年ほど後に融合し始め、原子と呼ばれる複雑な構造体を成し、やがてその原子が結合して分子ができた。原子と分子とそれらの相互作用の物語を「化学」という。およそ38億年前、地球と呼ばれる惑星の上で特定の分子が結合し、格別大きく入り組んだ構造体、すなわち有機体を形作った。有機体の物語を「生物学」という。


・そしておよそ7万年前、ホモ・サピエンスという種に属する生き物が、なおさら精巧な構造体、すなわち文化を形成し始めた。そうした人間文化のその後の発展を「歴史」という。歴史の道筋は3つの重要な革命が決めた。約7万年前に歴史を始動させた認知革命、約1万2000年前に歴史の流れを加速させた農業革命、そしてわずか500年前に始まった科学革命だ。科学革命は歴史に終止符を打ち、何かまったく異なる展開を引き起こす可能性が十分ある。本書ではこれら3つの革命が、人類をはじめ、この地上の生きとし生けるものにどのような影響を与えてきたかという物語を綴っていく。


・私たちは自分たちが唯一の人類だとばかり思っているが、以前はホモ・サピエンス以外にもこの属に入る種は他に数多くあったのだ。キツネやクマ、ブタには多くの種があるように10万年前の地球には、少なくとも6つの異なるヒトの種が暮らしていた、


・人類のすべての共通する決定的な特徴は巨大な脳だ。動物界広しといえども、ホモ属だけがこれほど大きな思考装置を持つに至ったのはなぜか?いったい何が人類の巨大な脳の進化を推し進めたのか?


人類は直立歩行により、卓越した視野と勤勉な手を獲得する代償として、腰痛と肩こりに苦しむことになった。女性はさらに代償が大きかった。直立歩行するには腰回りを細める必要があったので、産道が狭まったーよりによって、赤ん坊の頭がしだいに大きくなっているときに。女性は出産にあたって命の危険にさらされる経目になった。赤ん坊の脳と頭がまだ比較的柔軟な、早い段階で出産した女性のほうが、無事に生き流れえてさらに子供を産む率が高かった。その結果、自然選択によって早期の出産が優遇された。そして他の動物に比べて人間は、生命の維持に必要なシステムの多くが未発達な、未熟な段階で生まれる。ヒトの赤ん坊は自分では何もできず、何年にもわたって年長者に頼り、食物や保護、教育を与えてもらう必要がある。この事実は、人類の傑出した社会的能力と独特な社会的問題の両方をもたらす大きな要因となった。


ホモ・サピエンスの成功の秘密は何だったのか?私たちはどうやって、これほど多くの、遠くて生態学的に異なる生育環境に、これほど速く移り住むことができたのか。私たちはどうやって他の人類種をすべて忘却の彼方へ追いやったのか?なぜ、強靭で、大きな脳を持ち、寒さに強いネアンデルタール人たちでさえ、私たちの猛攻撃を生き延びられなかったのか?ホモ・サピエンスが世界を征服できたのは、その比類なき言語のおかげではなかろうか


「原始的な人々」は死者の霊や精霊の存在を信じ、満月の晩には毎度集まって焚き火の回りでいっしょに踊り、それによって社会秩序を強固にしていることを私たちは簡単に理解できる。だが、現代の制度がそれとまったく同じ基盤に寄って機能していることを、私たちは十分理解できていない。企業の世界を例に取ろう。現代のビジネスマンや法律家はじつは強力な魔術師なのだ。


歴史の大半は、どうやって厖大な数の人を納得させ、神、あるいは国民、あるいは特定の物語を彼らに信じてもらうかという問題を軸に展開してきた。この試みが成功すると、サピエンスは途方もない力を得る。なぜなら、そのおかげで無数の見知らぬ人どうしが、力を併せ、共通の目的のために精を出すことが可能になるからだ。


・私たちとチンパンジーとの真の違いは、多数の個体や家族、集団を結びつける神話という接着剤だ。この接着剤こそが、私たちを万物の支配者に仕立てたのだ。


・人類によるオーストラリア大陸への初の旅は、歴史上屈指の重要な出来事で、少なくともコロンブスによるアメリカへの航海や、アポロ11号による月面着陸に匹敵する。オーストラリアの征服者は、ただ適応しただけではなく、この大陸の生態系を、元の面影がないほどまで変えてしまった。


その他、「調理をする動物ー火を手懐けた人類」「虚構が協力を可能にした」「農耕がもたらした繁栄と悲劇」「農業が始まったときから始まった不安」「神話による社会の拡大」「書記体系の発明ー数の言語」「想像上のヒエラルキーと差別」「最強の征服者、貨幣」「グローバル化を進める帝国のビジョン」など。


これは人類必読の本だね。入門として↓のマンガ版も読んでおくといいね。超オススメです。(・∀・)


   


まんがでわかる サピエンス全史の読み方 (まんがでわかるシリーズ)




 


サピエンス全史(上) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福