- 作者: 越谷オサム
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/05/28
- メディア: 文庫
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「もしも中学生の頃に淡い想いを寄せていた異性に再会したら?その相手がとびきステキな大人になっていたら?しかも自分を慕ってくれているとしたら?そりゃもう、運命の相手だと思わずはいられないだろう。」
誰もが経験する初恋ってこんな純粋なんだろうなあ…。私は自分の恋、あの女性を思い出して泣きました…。(>_<)
「幼馴染みと十年ぶりに再開したオレ。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで――その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、すべてがつまった完全無欠の恋愛小説」
真緒には、いくつかの秘密があった。幼少期の記憶がないということ。両親が実の親ではなく、里子だということ。結婚後の真緒の不審な行動。過去に何があったのか?
義父母の反対を押し切って、駆け落ちのようなラブラブな新婚生活は、すぐに不安がたちこめる。だんだん疲れやすくなる真緒。浩介は何もすることが出来ない。そしてラスト。すべてが明らかになる。二人の間にどれほど無垢な愛情があったことか。誰かを思うこと。誰かに思われることが、どれほ人の心の支えになることか。お互いに愛情を注ぎあえることは、どれほど奇跡的に幸福なことか。
・あらためて見てみると、真緒はけっこうかわいい。きょろきょろとよく動く目が放つ悪戯っぽい光は人を惹きつけるものがあるし、黒すぎてかえって青く見える髪は撫でてみたくなる。きゅっと結ばれた小さな唇なども、ついつい見とれてしまうような魅力があった。でも、バカだ。
・「優しいね、浩介は」真緒が顔を寄せてきた。「ねえ、ものすごく恥ずかしいこと言っていい?」僕は周囲を見渡し、頷いた。「小さい声でなら」僕は耳元に寄せて、「あのね」と言いかけ、よほど恥ずかしいのかいったん顔を引いた。
「なんだよ」困ったような笑顔を浮かべてからも一度顔を寄せ、真緒はそっと囁いた。「あのね、私、あなた結婚してよかった」ぞわぞわっと鳥肌が立ってしまった。なんと恥ずかしく、そしてくすぐったい台詞なのだろう。しかも、店の商品を全部買い占めてしまいたくなるほどうれしい。
・朝刊を取りに行くと言い残したまま、真緒は消えてしまった。「私はもう寿命が来ているんで、行かなくちゃいけないの。だから、何もかも消すつもりだった。私についてのこと。全部」
・真緒の何もかもが恋しい。おだやかなようで常に何かを企んでいるような眼差し。耳くすぐるような甘い声。仰向けになると膨らみがほとんどなくなってしまう乳房。背中をこすりつけて甘える癖。気まぐれぶりも融通も利かなさも、すべてが恋しい。
私の好きなシーンは、中二のファーストキスのシーンと、ラストの、「お前、金魚のブライアン食ったろ」 のところ。
このラストがハッピーエンドか?、アンハッピーエンドか?意見が分かれるだろうなあ…。でもステキだよ。(>_<)
ぜひ、映像化して欲しいなあ。ヒロインの真緒は、吉高由里子かなあ!純愛を求めている人、必読!今年のベスト3間違いなし!よむべし!(ToT)