「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜芥川賞候補!…『俳優・亀岡拓次』(戌井昭人)

俳優・亀岡拓次

俳優・亀岡拓次

またまたオモシロイ本を読みましたよ〜!(^。^) 私は知らなかったんだけど、第145回芥川賞候補作家の渾身作なんだって!

タイトルの亀岡拓次は実在の人物ではない。あくまでもフィクションなんだけど、それは著者の戌井昭人氏が劇団を持つ傍ら、俳優としても活躍する著者ならでは。(^。^)


亀岡拓次、独身。職業・俳優(主に脇役、ハリウッド作品の 出演経験あり)。 趣味:さびれた飲み屋で一人お酒を楽しむこと。 現在の願望:恋をすること。 長野、山形、東京、サンフランシスコ 。職業俳優・亀岡は、今日も撮影にでかける。彼女もおらず、贅沢もせず、地味にひっそりと生活していたい。そんな気持ちとは裏腹に、思いもよらぬ奇怪な出来事が今日も亀岡を狙っている…。


年齢は37歳、見た目よりも十歳くらい老けて見える。髪の毛は天然パーマで頭部が少し薄くなっている。普段はバリカンで短くして坊主頭にしていたが、監督やプロデューサーの要望に応じて伸ばしていることが多い。風貌も相まって天然パーマ髪を伸ばすと、随分と奇怪な見た目になってしまう。だから普段は、なるべく短髪でいたかった。しかし監督にはその奇怪さを重宝がられ。短くする機会を失っていった。身長は172センチで背はそれほど高くないが、学生時代に野球をやっていたので筋肉質でがっしりしていた。色黒の顔に、目はいつ眠たそうで、とぼけた印象があるので、ほのぼのとした役が似合うと思いきや、暴力的なシーンで逆にその目が恐ろしく映る。要するにバイプレイヤーというやつだ。世間的に認知度は低いけれど、監督やプロデューサーは亀岡を重宝がり、仕事はバイプレイヤーというやつだ。結婚もしていないし、恋人もいない。入ってきたギャラはすべて自分のために使ってしまい、貯金もない。趣味はオートバイでぶらぶらツーリングに行くこと。夜は居酒屋やスナック繰り出し、酒を飲むのが楽しみで、生活は地味だった。

何気ない日常の光景がナントもオモシロイ。映画監督から絶賛されてもハリウッドから呼ばれても所詮脇役なのだが。こんなユニークな小説があったのか!?オススメです。(^ム^)