- 作者: 工藤美代子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 文庫
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この本は、「婦人公論」連載時から話題沸騰の衝撃のノンフィクション。更年期世代の性の実態が、今、明らかになった!きっとこのブログの読者は、読んでみたいけれどなかなか手に取れないでしょう。だから代わりに読みましたよ〜!生々しかったよ〜!そのエッセンスを紹介しよう。
・それぞれの女性たちが、他人には語れない悩みや秘密を抱えて生きている。これは、現代社会だからこそ存在する現象だろうと思った。かつて若い日の私が『おばさん』と呼んでいた女性たちは、その前に生々しく、一個の女性だったのである。なれば、彼女たちが直面している現実を書き残しておくのも私の仕事ではないだろうかと思った…。
・「結局ね、更年期の問題って、つきつめていくと女性が何歳までセックスをするかってことなんですよ。つまりね、更年期におけるほかの症状はやがて時間が経過すれば必ず治るのです。ただ、セックスだけは、そのままにしておくとできなくなります。これはもう確実にそうなります。閉経すると女性の膣は縮んで固くなり、男性の性器を受け入れるのが難しくなるのです。膣の潤いもなくなります。したがって、性交痛や出血が起きます。これは厳然たる事実です」
・「恋愛もセックスも、子宮でやるものではないでしょう。脳でやるものでしょう。恋愛をすると脳が活性化します。だから女性は恋愛をしてセックスをするときれいになれるのです。よくいわれるフェロモンって、若い子にだけあるわけじゃない。たとえ五十代でも、誰かを愛したときには膣だけではなく全身の潤い方が違ってきます。そういうことが男性にはよくわかっていないのね」
・「私ね、このごろよく思うんです。今が一番幸せかもしれないって。二十代のとき、私とセックスをしたがった男たちは、私の若さや容貌に惹かれていたわけでしょ。でも、今の私はもう美しくもない五十を過ぎたおばさんです。それでもセックスをしたいと思ってくれる男がいるってことは、その人は本当の私を見てくれているんでしょう。本当の私のことが好きなんだと思います。だから、今心配なのは、いつか彼とセックスができなくなったらどうしようかいうことです。やっぱり心配です。工藤さん、ホルモン補充療法をやったほうがいいかしら?」
・「セックスは途切れないで、やったほうが良いと思います。頭だって使えば使うほど良くなります。セックスも同じです。中国では男は陽、女は陰といいます。セックスは陰と陽が交わることです。男は女から陰をもらい、女は男から陽をもらうわけです。それで体内の陰陽のバランスがとれて、あらたな生命力ができるのです」
・「ねえ、工藤さん、あたし自身が悪いことをしているとは、どうしても思えないんです。だって、誰にも迷惑をかけていないし、セックスの快感は年を取れば取るほど深まっていくんですもの。この生活をやめる気はないわ。あのね、あたし思うの。セックスって限られた女性にだけ開かれている扉なのよ。その扉を開けた人にだけ進化していく。女としてよ。」
「女は鳥かテーブルか」という話は意味深だ…。とても大切なテーマ。真面目に真剣に考えなければいけないよね。おススメです。