- 作者: グレイル,武光誠
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/12/08
- メディア: 新書
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さて、現代の日本人にも生活の中で無意識に「神に祈る」「神を奉る」ことも多々あるよね。「神」は今でも日本人にとって身近な存在。しかし、そもそも「神」とは何を指すのか?日本人の「信仰」「概念」のルーツを探る入門書の決定版がこの本だ!そのエッセンスを紹介しよう。
・古代受け継がれてきたしきたりは、かつての日本人が理想とした生活や考え方から生まれたものです。そして、これら日本の伝統の根底に流れるものこそ、実は神道の教えなのです。
・日本には「八百万(やおよろず)」といわれるほど多くの神がいて、私たちの願いを叶えてくれると考えられています。正月には初詣に行き、受験の時は天神様に合格をお願いします。子どもが生まれれば、健やかな成長を祈ってお宮参りに行き、祝詞をあげてもらうでしょう。私たちが生活の中でごく自然に行っている習慣や行事には、神道から生まれたものがたくさなります。けれども、これほど身近な神道を宗教ととらえている人は、少ないのではないでしょうか。その理由として、仏教やキリスト教、イスラム教の三大宗教には、経典や厳しい戒律があるのに、神道にはそれがないということが挙げられます。
・本来すべての人間を「善」と見て、他者の生き方すべてを認めるというのが、「神道」の考え方です。神道を宗教ととらえていない人が多いのは、あまりに束縛がなく、意識することが少ないからなのかもしれません。
・神道の中心となる考え方は、「自然への尊敬」と「怖れ」です。暖かく雨も豊かな日本の風土は、自然が多くの食べ物を与えてくれた一方、自然は嵐や地震、火山の噴火など災害を引き起こす、恐ろしい存在でもありました。そして、そのような天災を古代人は一時的な神の怒りと考えたのです。神の怒りがおさまれば、また豊かな恵みを与えてくれることを経験から学んだ人々は、しだいに自然を神として敬うようになっていきます。
・言葉とは単なる記号ではなく、魂が宿ったものなので、口に出したことは霊力によって現実になる。この感覚は古代の日本人も持っていて。それは今の私たちにも受け継がれています。それが「言霊信仰」です。「言」(発せられた言葉)は「事」(言葉によって指示されるもの)と同じものであるという発想は、世界中で見られるものです。とはいえ。日本では言葉に対する信仰がとても深かったようで、最古の歌集『万葉集』にも「大和は言霊の助くる国」という表現がなされています。日本で若が重んじられたのも言霊信仰があったためと考えられています。
その他、「稲作がもたらした勤勉で誠実な日本人気質」、「神道と神社の誕生」、「日本人に富士山好きが多いのも神道の影響」、「三種の神器の不思議」は、改めてナットク!(^。^)オススメ!