「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ハッピーアイスクリーム 17歳って、これだけじゃ無理。 」(加藤千恵処女短歌集)

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 いいねえ。この歌!17歳!?まるで尾崎豊のデビューアルバム「17歳の地図」を聴いているような等身大の17歳のナマのコトバがここにある。加藤千恵、いいじゃん!♪
 
ついてない びっくりするほど ついてない ほんとにあるの?あたしにあした 「リアルな日常の言葉」に敏感な若い世代だけでなく、各界の著名人も続々と熱烈なラブコールを表明している著者のデビュー短歌集」その代表的な歌を紹介しよう。
 
・言葉しか残っていない けれどまだ 言葉だけなら残ってはいる
 
・重要と書かれた文字を写していく なぜ重要かわからないまま
 
・ありふれた歌詞が時々 痛いほど 胸を刺すのは なんでだろうね
 
・幸せに ならなきゃだめだ 誰一人 残すことなく 省くことなく
 
・青春の終わった街でなぜでしょう 言葉は燃えないゴミだったのに
 
・あいまいが 優しさだって思ってるみたいですけど それは違います
 
・首吊りの ひもの長さのせいにして 結局生きていくような君
 
・月並みなことを言うけど 幸せは 過ぎ去ってから 気がつくものだ
 
・傷ついたほうが偉いと思ってる人は あっちへ行って下さい
 
・一番に言いたいことを失って 二番も三番も意味を持たない
 
・泣きたいと思ってるのに 電話とか宅配便にジャマされている
 
・ぼんやりとTVを観てる ゆっくりと 自分がだめになるのがわかる
 
・どうしよう どうしていいかわかんない どうしよう あたしあの人が好き
 
・世界中の 本や音楽買い占めて なんとか夜を乗り切らなきゃ
 
・左手が微妙な位置で 浮いたまま なにも言えずに くちづけをした
 
・合格を祈願している場合じゃない だってあたしは恋をしたのだ
 
・欲しいとか欲しくないとか くだらない理屈の前に 奪ったらどう?
 
・結局は みんな死ぬのに 悩んだり泣いたりしてて なんか不思議だ
 
・「燃やすとき公害になる」補聴器の 電池を抜いた 入棺のとき
 
・走ってる つもりだったけど もしかして 走らされてるのかもしれない
 
・屋上へつづく扉が開かないのはつまりそういうことなのだろう
 
・舞ちゃんはパンダが好きで筆箱もシールもメモもパンダばっかり
 
・めちゃめちゃに 空が晴れてる たった今 爆発すればいいのに全部
 
誰もかも病んでいるからもう誰も病んでいるとは呼べないでしょう
 
・もう2度と会えないなんて不思議だね 誰かの悪い冗談みたい
 
・鮮やかに見ていたものは夢だった もともとそんな気もしてたけど
 
・水よりも透明なものを知っている あたりはあたしのままで生きてく
 
・いつだって見えないものに覆われて知らないものに守られている
 
・真夜中に鳴った電話はすぐ切れて 2度とかかってきませんでした
 
あたしたち何にもできないだからこそ何でもできるそんな気がする
 
・いつもなら ぬれっぱなしの あたしたちが 今日珍しく 傘をさしてる

 

いいねえ、いいねえ、春だね。恋の季節だね。歌を書きたいね。そんな気持ちにさせます。オススメです。(・∀・)

 

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