この本は、いいなあ!脳天気のワタシにとってはイチバン不足しているのが、まさにこの「悲観する力」だ!φ(..)メモメモ
「悲観とは「物事は予測や予定どおりには運ばない」と考えることである。本書で伝えたいのは、この「思わぬこと」に対する考察の重要性だ。重大な過ちを繰り返すことへの歯止めは悲観することしかない。単なる心配そして諦めは悲観ではない。「これでは駄目かもしれない」と思ったら次にどう対策するのか。豊かな社会ゆえの楽観を排し、有効な悲観の技術を伝授する」そのエッセンスを紹介しよう。
・どうして、人間はこんなに繁栄できたのだろうか。誰もが「頭が良かったから」と答えるはずである。この「頭が良い」とはどういう意味なのか。頭の機能は、考えることであり、つまり考える能力が高い、という意味になるが、いったい何を考えたから、人類繁栄の結果が訪れたのだろうか?優れた「予測」を行うことが、人類を生き延びさせた。空も飛べず、速く走ることもできず、鋭い牙もなく、力も弱い人間が、自然の中で生き、ここまで反映することができたのが「優れた予測」のおかげである。
・一般に、良い結果が過剰に期待することを楽観といい、悪い結果を心配しすぎることを悲観という。このどちらが良い状態か?本書で書きたいことは、「思い通りにいかないこと」に対する考察の重要さである。
・一般に、最も簡単な解決策を知っているのに、それを実行しない人が多い。何故なら、その方法は面倒くさくて回り道に見えてしまうからだ。この面倒くさくて回り道に見えさせるものの正体こそ、実は最大の障害である。それは、人の心の中にある「幸運信仰」のような淡い期待だ。いつの間にか、その信者になっている人が、とても大勢いることが、社会をざっと見渡しただけでわかる。幸運信仰とは「ツキ」を待つことである。
・特に日本は、悲観を嫌う文化が存在する。それを象徴するのが「縁起」である。
・「フェールセーフ」という言葉をご存知だろうか。これは工学における設計思想の一つであり、「機械は必ず壊れる」「誤操作は必ず起こる」ことを前提として、万が一そうなった場合に安全側に制御する手法あるいは原則のことである。
・忘れてはいけないのは、やはり過剰な「楽観」で、状況を見誤らないことだ。あくまでも、現状や未来を「悲観」して、数々の対策を早めに講じておくこと、安全側のシステムを十分に吟味して構築しておくこと。その姿勢が大切だと思われる。
・「楽観」が根元となっている日本人の傾向は、想像するに、農耕民族特有の運を天に任せるという心理のようなものがベースにあるのではないだろうか。悲観をしてもしかたがない、神様を信じて、じっと耐える。農耕は、良い天候を待つしかなく、つまりは神を信じて「楽観」するしかない。
・「悲観」には大きなデメリットはなく、安全や自由など実現するために必要な、前向きな姿勢だといえる。したがってどんなプロジェクトであれ、物事を実現し、思い通りの結果を得るためには、最初から大いに「悲観」すること、真正面から悲観して臨むことが重要である。
【悲観の仕方】
1 AならばBといった決まりごとが絶対ではない、と疑う。
2 こうだと言い切るよな発言に対して、例外を探す。
3 見込める効果を小さめに評価し、それでも全体が成立するか検討する。
4 多数意見を鵜呑みにしない。
5 都合の悪い事態ほど優先して考える。
6 できるだけ多数の視点に立って考える。
7 自分の説明が相手に理解されないことを考慮しておく。
8 周囲からの評価を期待しない。
これらは、抽象すれば「疑う」と「余裕を見る」の二点になる。疑うから余裕を見るのであり、「悲観」という操作の始まりと終わりともいえる。
・未来を「悲観」すれば、少なくとも考え続ける人間にはなれる。
・僕が見るかぎり「仕事が好きだ」「情熱をもって取り組んでいる」という人ほど、全然仕事をしない。マジメにこつこつと仕事を進める人は、ただ黙々と焦らず作業を続ける。おそらく「仕事が楽しい」と口にする必要なないからだろう。楽しいかどうかなど仕事には無関係なのだ。
・子供には、勉強に対して「やる気」を出すように指導しているが、やる気を出すことには、勉強をすること以上に難しい。やる気を出すよりも、勉強をした方が簡単だ。大人は、そんな無理強いをしていることに気づいているだろうか。
・絶対に失敗しないと言い切れることが、自信ではない。やれることは全部やったと言いきれることが、自信である。
爪のアカでも、身につけたいなあ。「希望優先」の方、特にオススメです!(・∀・)