「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「「北斗星」乗車456回の記録」(鈴木周作)

タイトルに惹かれて手にとって、一気に読んじゃいました。こういう出逢いって好きだなーー!北斗星」に456回っ!?新幹線だって、京急ウィング号だってそんなに乗っていないよなー!きっと。(笑)


「著者の鈴木周作氏は、1988年の北斗星開業以来26年間、その魅力に惹かれて現在まで456回も乗り続けている画家。最盛期の上野駅の賑わい、赤いランプの食堂車、寝台の窓からの変わりゆく風景や星空、車内で出会った様々な人々…夜汽車の楽しみやエピソードなど。北斗星を知り尽くした著者が渾身の想いで綴る、ブルートレイン乗車記の集大成」そのエッセンスを紹介しよう。

 

 
ふるさとの 訛なつかし
停車場の 人ごみの中に
そを 聴きにいく  啄木
 
15番線の車止め付近(改札口寄り)に置かれている、石川啄木の歌を刻んだ碑を振り返る人は、それほど多くありません。
 
今よりも東京と北国が、時間的にも、そして、きっと気持ちの面でもはるかに離れていた時代。この駅に立っていた人たちは、どんな思いで夜行列車を見つめていたのか。そこにどのような人生があり、物語があったのだろう。冬、屋根に雪を載せた客車から降りてくる人々の懐かしい訛りを耳にして、どんな気持ちが広がったのだろうか。歌碑越しに眺める北斗星は、そんな風情を感じさせてくれる。私の好きな、上野駅の光景のひとつです。ブルートレインは、眺めているだけでも結構楽しいものです。そして、残されている時間はもうわずかしかありません。
 
・あの頃、まさか自分が北斗星の終着駅である札幌に移り住み、独学の趣味に過ぎなかった水彩色鉛筆画をプロとして描くことになるなんて、想像もしていませんでした。ある日、たまかま北斗星のもっとも豪華な個室寝台「ロイヤル」のきっぷを手にしたことが、私の人生を変えてしまったのです。気がつけば、北斗星の乗車回数は、456回を数えてしまいました。
 
下りの北斗星は、かつての私にとっては北海道に「行く」ための列車でした。でも今は、自宅に「帰る」ための列車です。この本では、あなたを札幌までの北斗星の旅にご案内したいと思います。その道すがら、私のこれまでの北斗星とのエピソードなどもお聞きいただければ幸いです。
 
上野駅では、地味なようでいて、私にとっては案外大切な準備があります。それは、パンなどの軽食と、ミネラルウォーターを忘れずに買っておくこと。もちろん、夜も朝も食堂車でご飯をいただくつもりです。でもなにかしらの食べ者と水を買っておくことをおすすめします。できれば、保存のきくものがいいですね。これは、何かがあった時の「非常食」です。何もなければ、自宅に持ち帰ります。その「何か」は、まず列車が大幅に遅延した場合。もうひとつは、混雑です。
 
上野駅13番線」「上野〜黒磯 なぜこの列車に心惹かれるのか」「黒磯〜松島 食堂車があることの意味」「松島〜青森 私だけが知っている北斗星」「青森〜青函トンネル〜函館 姿を表す北海道新幹線」「函館〜札幌 記憶に残る出来事」など。
 
 
だんだん、こういう旅情がなくなっていくよね。淋しいからこそ、記録が大切だよね。鉄道ファン必読。オススメです。(・∀・)