「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「平成のヒット曲」(柴那典)

 
「ヒット曲は、諸行無常の調べ。それは時代を映す鏡である――。ミリオンセラーが連発し、史上最高にCDが売れた1990年代、国民的ヒット曲が誕生するも、徐々に音楽産業が下り坂となった2000年代YouTubeSNSの普及で、新たな流行の法則が生まれた2010年代――。小室哲哉からミスチル宇多田ヒカルSMAP、嵐、Perfume星野源、米津玄師まで、いかにしてヒット曲は生まれ、それは社会に何をもたらしたのか。ヒットの構造を分析し、その未来をも占う画期的評論」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
歌は世につれ、世は歌につれー。あらためて、この言葉の意味を実感できるような30曲の物語になっているはずだ。での歌謡曲にかわってJ-POPというい言葉が生まれ、CDセールスが右肩上がりで拡大していった、音楽産業の黄金期だ。次の10年は「スタンダードソングの時代」。00年代初頭には、SMAP「世界で一つだけの花」サザンオールスターズTSUNAMIという2つの国民的ヒット曲が生まれている。最後の10年は「ソーシャルの時代」youtubeソーシャルメディアの登場によって流行を巡る力学は大きく変わった。CDの時代はいよいよ終焉を告げようとしていたそして2019年4月、平成という時代は幕を下ろした。そして2020年初期から本格化した新型コロナウィルスのパンデミックは、文字通り世界を一変させてしまった。
 
 
【昭和の幕を閉じた曲、1989(平成元)年「川の流れのように」(美空ひばり)】
 
なぜ、ひばりは最後の作品を秋元康に託したのかひばりが療養に入っていた頃、かねてから作詞家になったからには美空ひばりと仕事をしてみたいと話していた秋元の言葉がひばりのスタッフに伝わり自分と遠い若い世代の人たちにメッセージを残したい」というひばりの意向と合致した。秋元「ニューヨーク31丁目のコンドミニアムに住んでいたんですが、その部屋の下にイーストリバーが流れていて、それを眺めながらこの革をずっといくと海に繋がって、その海は日本に繋がっているんだろうなあ」とか、ぼんやり考えていたんですよ。そんなときに日本からひばりさんが東京ドームで不死鳥コンサートをやると連絡があったんです。それで急遽帰ってこいっていう話になり、東京に帰って、ひばりさんとお会いしてプロジェクトが再開しました」
 
僕は、原稿用紙5〜6枚のひばりさん宛ての企画書を一気に書き上げ、タイトルは思い出の目次」と付けました。流行歌は、その歌を聴くたびに、人それぞれが思い出を引き出す上での目次になるものです。たとえば『東京キッド』が流行っていた時期には、こんなことをしていたな」とか。そうした流行歌の「思い出の目次」をいちばんたくさん持っている歌い手が、ひばりさんなのです

 
【「平和への祈り」と日本とアメリカ 2004(平成16)年「ハナミズキ」(一青窈)】
 
・最も重要なポイントは、これがアメリカ同時多発テロ事件を直接的なモチーフにして書かれた曲だということだ。一青が歌詞を書いたのは9・11の直後。まだデビュー前だった。現地には、大学で同じアカペラサークルに所属していた友人と恋人が一緒に暮らしていた。ツインタワーが崩れる映像を前に、その身の無事を一心に願う気持ちから衝動的に言葉が綴られた。
 
一緒に渡るには
きっと船が沈んじゃう
どうぞゆきなさい
お先にゆきなさい
 
歌詞に書かれたのは、多くの人が被害に遭う中で一握りの人だけが救われる想像上の場面。友人とその恋人を助けるために船に乗せ、自分が一人残るという情景だ。そこで歌われる思いが君と好きな人が 百年続きますように」というサビのフレーズに繋がっている。こうしたエピソードが徐々に広がり高校の教科書に掲載されるようにもなった10年代以降に「平和への思いを込めた祈りの歌」として再受容されるようになる。か
 
ハナミズキ」には、直接的にテロや戦争を指し示すような言葉は一つもない。歌詞にはあえて抽象性の高い表現が選ばれ、解釈の自由が開かれている。それゆえに、婚式ソングの定番のような受け入れられ方もしてきた。
 
 
「おどるポンポコリン(B.B.クイーンズ)」「ラブ・ストーリーは突然に(小田和正)」「私がオバさんになっても(森高千里)」「Innocent World」(Mr.Children)「強い気持ち・強い愛」小沢健二)「イージュー★ライダー」(奥田民生)「CAN YOU CELEBRATE?」(安室奈美恵)「First Love」(宇多田ヒカル)「TSUNAMI」(サザンオールスターズ)「小さな恋のうた」(MONGOL800)「世界に一つだけの花」(SMAP)「さくら(独唱)」(森山直太朗)「何度でも」(DREAMS COME TRUE)「粉雪」(レミオロメン)「ポリリズム」(Perfume)「キセキ」(GReeeeN)「ありがとう」(いきものがかり)「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」「ペンパイナッポーアッポーペン」(ピコ太郎)「恋」(星野源)「Lemon」(米津玄師)など。
 
そおかあ。もう30年以上経つんだもんねえ……「流し」として「平成の歌」もリクエストに応えられるようにしないとね。オススメです。(・∀・)♪