お店が閉店するって悲しいよね。常連だったら特に。あるいは行ってみたいなあ!と思っていたら閉まっていたというのも悲しいし、切ない。
この店があったらぜひ行ってみたいなあと思ったのが、赤坂にあった伝説の小料理屋「ままや」。「おいしくて安くて小奇麗で、女ひとりでも気兼ねなく入れる」というコンセプトで向田邦子さんと妹・和子さんとで開いたお店。
「いまだに不慮の死を惜しむ声が絶えない向田邦子。その遺志の小料理屋を守り続ける末っ子の妹が綴る家族、幼少時代、仕事、愛猫、病気、そして姉が遺してくれたもの」
そのエッセンスを紹介しよう。
・「私は三年は待てないの、一年にして欲しい。 あなたの時間を買いたい。お金は私は責任もつ。 こういうやり方はあなたのやり方でないのはよくわかる。 ひとつひとつを積み重ねていきたいのだろうし、 あなたは甘ったれのようだけど、 お金のことで頼りたくない性格も承知しています。 喫茶店は客単価が低いから、借金してやるには問題があるわよね。 お酒と食べる物の方が商売としてはうま味がある。これは、 と思う店があるの。若い人に人気で、活気があって気安くて、 お酒があってもこんなやり方もある、参考になると思う店なの。 早速だけど、これからすぐ行きましょう」
「あなたには、ありがた迷惑、お節介と思われようと、 場所もいい、人気のいい所で、小料理屋をやって欲しい。 あなたが、そういう所で働いている姿をみるまでは、私、 死にきれない。こんなに人、人、人がいっぱいいても、 お金出しますから、お店を出してください、 なんてお願いされること、めったにあるもんじゃないわよ。
まるでドラマのようなストーリーだね。まさに伝説のお店だね。向田邦子さん関連の著作制覇は続く。オススメです。(・∀・)