一日一冊一感動!小野塚テルの『感動の仕入れ!』日記

タイトルは、『一日一冊一感動!小野塚テルの感動の仕入れ!』日記。 毎日の読書、映画、グルメ、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。(ときどき「酒場のギター弾き」「B級グルメ」も紹介します)

「囚人狂時代」(見沢知廉)

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囚人狂時代 (新潮文庫)

囚人狂時代 (新潮文庫)

 

 

人生の経験値というコトバがある。いろんな経験をしてきたけど、さすがに刑務所や留置場にお世話になったことはないなー!(笑)(・∀・)

 

blog.livedoor.jp

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この本は、スゴいよ!そのリアルな体験談だっ!!!こんな経験は本の中で十分っ!

「バリバリの新右翼リーダーだった著者は、スパイ粛清事件の実行犯として逮捕され、懲役12年の判決を受ける。留置場や刑務所には、かつて世間を騒がせた“ビッグ”たちがひしめいていた。「三越事件」の社長、「ホテル・ニュージャパン」のあの人、「金属バット殺人」の彼…。有名人の知られざる生態、長期刑務所という極限空間の奇妙な日常生活を描いた、異色の「笑える」獄中体験記」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
囚人はまず短期と長期(L級)で区別される。短期は懲役7年以下、長期は8年(実質9年)以上だ。さらにA級(初犯)とB級(確信犯・再犯)がある。長期囚は、長期専門刑務所に入る。その他に女子専門のW級刑務所、精神障害囚のM級、26際以下のY級(少年刑務所)がある。
 
・長期刑務所を出て一年がたった。出所したばかりの頃は、とにかく人の波が怖くて、電車やデパートで人込みに揉まれると、その感覚についていけなく嘔吐したことさえある。二〜三ヶ月ぐらい経つうちにシャバの生活に慣れてしまえば、今度は逆に、あの過酷な長期刑務所での日々が遠い夢物語のように思えてくる。だが、あの日々も、紛れもない俺の人生の一部、そして、この日本の一角に存在し続ける生きた現実の世界でもある。それを今、書きとめておこうと思う。刑務所という不思議な空間の「日常」を書いておきたい。
 
刑務所は、今も明治41年の「監獄法」で運営されている。ボロボロの灰色の囚人服に坊主頭、冷暖房もなく、食事は大根の葉っぱなどに麦めし。菓子、ジュースも買えない。一日に8時間の強制労働があり、しかも移動は全て軍隊行進式だ。手紙が原則月一回、肉親に7枚書けるだけ。恋人や友人とも連絡はとれない。息をすることと夢をみること以外に自由がない。中世のヨーロッパ監獄波の囚人生活を強いられる。
 
・刑務所では、大学中退者どころか、高卒でインテリの仲間に入れられる。その背景には囚人の一割が文盲、三割が九九も満足にできないという、笑えない現実があるのだ。
 
・IQが140もあった天才、モンちゃん。「見沢君ね、俺、ほ、ほ、ほとんどの自殺やってみたけどね、一番楽なのはガスね。いい気分になっちゃうよ。それでダメなのは切腹ね。やめなさい。ッホント、自殺するんだったら切腹以外で死になさい。こ、これ、めちゃくちゃ痛いのよ」
 
・俺は以前から占いが好きで、手相、人相、占星術四柱推命九星、姓名判断などを齧ったことがある。ふと、思った。監獄に入ってしまう運勢というものがあるのだろうか、と。千葉にいるのがほとんどが殺人鬼、残りも放火、銀行強盗、誘拐、強姦……どんな変わった人相や手相をしているんだろう?名前の字画は?星座は?これはいい研究テーマだ。
 
まず人相。これは皆良くない。が、それは監獄暮らしのせいでもある。決定的だったのは姓名判断だ。皆、信じられないほどの絶望的な凶数なのだ。破滅数、凶悪数、犯罪数……そんなのが並ぶ。
 
驚くべきことに、大犯罪を犯す直前、いずれの人間も似通った心理状態を経験していたことがわかった。みずからも刑務所に入ったことがある、その中でやはり殺人犯などにしつこく取材して自分の文字を完成させたドストエフスキーは、罪と罰でこの特異な心理状態を象徴的に描きだしている。ラスコーリニコフはいざ現実に老婆と対面すると心に迷いが生じたが、そのとき、まさに自分の目の前に、斧が置いてあるのをラスコーリニコフは見る。そしてこの斧を神のサイン」だと思い、老婆殺しを実行してしまうのだ。この「斧」と同じものを、千葉刑の殺人差hや銀行ギャングたちも持っていたのである。
 
人を刺したことのあるやつ何人かに聞いたが、皆一様に言うのは、ドラマや映画のようには血が出ず、手応えがまったくない、ということだ。豆腐に刺したようだったと口を揃えて言っていた。
 
上がりには「仮釈放上がり」と「満期上がり」の二酒類がある仮釈放上がりは出所の1〜二週間前から準備に入る。数人が応接間のような部屋で一緒に過ごす。また、デパートや駅の改札に連れていってもらい、そこで買い物の方法や切符の買い方などを実地学習する担当から上がりを告げられた夜は、感動しきってしまい、全然寝られなくなって困った。

 

・上がり房に転房した。まず囚人服を返し、青のトレパン上下に着替えた。これで、12年間着込んだ屈辱的な灰色の囚人服から解放される。とたんに身が軽くなったようだった。とりあえず坐ろうとして、俺は座布団が厚いのに驚いた。この12年というもの、俺はずっとスポンジの高さ1センチの薄い座布団に座らされてきた。シャバのすぐ近くまで来たんだという気分になる。
 

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長期刑のOBは、日常生活と日常会話ができるようになるまで3年から5年かかる言われている。その上、私は12年間。普通の囚人でいえば100年分以上のハードな受刑生活をしてきた悪夢、フラッシュバックなどのPTSD心的外傷後ストレス障害)は当然消えはしないのだが、やはり、楽しい。一筋の光、逃げ道もない孤独な絶望の日々の中で、毎日死を考え「朝の来ない夜はない」という言葉を呪文のよううに唱え信じたあの頃ー。結局、人生において、幸と不幸、苦痛と喜びの分量は、差し引きゼロになるようになっていると、最近はよく思う。こうやって生きていることが、楽しいのだ。
 
「あんた、岡田茂さんだべ?」「俺のカアチャンはハチの一刺し榎本三恵子」「礼儀正しい〈乗っ取り王〉横井英樹」「金属バットの一柳展也クン」「殺人犯もビビった一柳の素振り」「あいつは人殺しよぉ!」「新宿駅西口バス放火犯・丸山博文が見る夢」「刑務所のレクリエーション(運動会、歌合戦)」「右も左のない世界」「厳正独居ー十一舎での日々」「恐怖の八王子医療刑務所」「カッパとチンコロは派閥でかわせ」「ホモにとって監獄はハーレム」「逆転の獄中新人賞」、参考資料 冊子「受刑者の生活心得」「守らなければならないきまり」など。その他資料「ノート使用許可条件書」「願箋」「情願却下通告」は、リアルだー!

 

スゴいなー!これは想像力では書けないね。今年のベスト10入りは、間違いない!超オススメです!(・∀・)

 

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囚人狂時代 (新潮文庫)

囚人狂時代 (新潮文庫)