「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「天の町やなぎ通り」(あまんきみこ)

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天の町やなぎ通り (あかね・新えほんシリーズ)

天の町やなぎ通り (あかね・新えほんシリーズ)

 

 子どものころからファンの童話作家あまんきみこさん。最初の出会いは国語の教科書に載っていた、の「白いぼうし」。蝶々と夏みかんの映像があざやかに脳裏に焼き付いている。そしてシンガーソングライター谷山浩子さんのねこの森には帰れない(77年発売)これにはハマった!B面は、あまんきみこさんの「くるまの色はそらの色」からのモチーフの歌がどれも素晴らしいっ!!「すずかけ通り三丁目」「山猫おことわり」「くま紳士の身の上話」……ああっ!ひさしぶりに聴きたいっ!

 

いちどだけファンレターを出して、おハガキで返事をいただいたことがあったっけ。あのハガキ、どこに有るんだろう!?(笑)

 

そして久しぶりに読んだあまんさんの絵本。この本。感涙……胸が締め付けられるような切なさ……優しい嘘、そして希望……。(T_T)

 

郵便局に届く、何通もの間違いの住所の手紙。差出人は子どものよう。悪質ないたずらだと思い、駅長さんは差出人を訊ねる。そこで小さな男の子は、なくなったおかあちゃんになんどもお手紙を書いていることを知る。おかあちゃんだけ引っ越した新しい住所は、おとうちゃんから聞いたのだという。

 
「おかあちゃんちはね、川のそばなんだ。そいでね、屋根が青いんだよ。光ってるんだよ」「そうかい。川のそばなんだね」
 
「あああ、天の町、か」「あああ、天の町、か」「あああ……」「あああ……」「あああ……」
 
そのとき、局長さんは、はっと息をのみました。
目のまえに、すきとおった琥珀色の道が、すうっとうかびでてきたのです。
遠く遠く、星の空までななめにつづいた、ほそい道がー。
 
それは、まるで水晶でできた町のようでした。
「天の町だ」と、局長さんは、かすれた声でいいました。
「そして、これがやなぎ通りだ……」
 
「よかったなあ。」「ああ、よかったなあ。」「よかったなあ。よかったなあ。」

 

親が子どもに夢と希望をこめた優しい嘘。まるで映画ライフ・イズ・ビューティフルを彷彿させる……。「いいなあ」「ああ、いいなあ」「いいなあ。いいなあ」

 

年末年始にふさわしい本。愛とぬくもりと感謝が伝わります。親子で読んでね。超オススメです!(・∀・)

 

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天の町やなぎ通り (あかね・新えほんシリーズ)

天の町やなぎ通り (あかね・新えほんシリーズ)