「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「孤独」(北野武)

  


孤独 (SB文庫)


全作品読破を目指しているビートたけしこと北野武の本。この本も赤裸々だ!ここにたけしの原点があるっ!(・∀・)!


ここまで喋るつもりはなかったよ 北野武、55年目の述懐出生の秘密、少年時代の憧れ、青春の街新宿、浅草下積み時代。酒と暴力と女たち、家族への思い、そして人生でただ一度宗教を信じた瞬間とは?--団塊世代のど真ん中、下町の悪ガキたけし少年の成長は、そのまま昭和ニッポンの"青春時代"と重なって絶頂へと上り詰めて行く。時代の反逆児としての覚悟や哲学、プライベートでの伝説の数々について、驚くほど率直に語られた『余生』に続く自叙伝第2弾。ズシンとくる北野武。55年目の述懐」そのエッセンスを紹介しよう。


うちの親父、小学校も出てないからね。ほんとだって。自分の名前書けないんだから。笑っちゃうよ?だから、うちの兄姉は、親父のこと話たがんないもん。浮浪者やってたって噂もあるぐらいなんだから。北野家の名前を継ぐために親父のこと拾ってきたって噂あるんだ。再婚だからね、うち。


いざ家帰って目の前にあんのは何かっていうと、親父が暴れている姿なんだよね。だから、ある意味、みんなで親父を飼っていたんだね。親父が子供の一人というか。親父という長男がいたっていう感じで。酒飲まなきゃ帰ってこられない理由は、そういうのにあったのかもわかんないね。息子たちは大学に行ってて、女房とか子供の視線考えると、気が弱いから、とても酒飲まなきゃ帰ってこれなかったっていうね。


唯一できたのは、おふくろ叩いたり、犬蹴っ飛ばすぐらいで、やっぱり大学とか、そういう戦後の文化とさ、昔ながらの職人の文化とさ、うちは二つの文化が一緒にあるみたいなもんだったから。むしろ、おふくろは俺のこと、「この子は父ちゃんの悪いとこも引いちゃったし」なんてよく言ってたよね。


・長嶋さんのこと、すごく好きなのはね、やっぱりそれまでの野球ってピッチャーか打者は人気あるんだけどさ、守備を評価された人って一人もいないんだよ。だけど、長嶋さんって守備でも人気あったらかね。長嶋さんが初めてなんじゃないかな、あの人の守備を見たいっていうのは


でも子供ながらに、長嶋さんみたいになりたいとは決して思わなかったな。「ああよかった、なんなくて。この人にはなれないな」って思うもん。絵描きになろうとして、いきなりピカソとかシャガール見せられたみたいなすごさがあって「よかった、ならなくて」と思うよ。それぐらいケタ違ってたよね。


俺もねえ、パンダかサルかって言ったら、サルだと思うんだよ。パンダはなにもしなくても人気もんじゃない?でも、サルがパンダみたいに人気もんになるためには芸をしなきゃいけなくて。普通においらが檻のなかに入っていても、誰も見てくんないから。芸をして初めて見てもらえるっていう。長嶋さんって、寝てても見てたいような感じがあるもんね。だから、パンダとかライオンが長嶋さんで、おいらは犬とか猫とか日光猿軍団みたいなもんでさ、芸したときだけ初めて印象に残るっていう、その程度のもんだと思うんだよ。


信長の「鳴かぬなら鳴くまで待とう ホトトギスが長嶋さんの場合「私が鳴こう」って言ったとかね。そんなの嘘に決まってるじゃねえかって思うのに、それがいつの間にか本に載っちゃったりさあ。


この本と一緒に読むといいね。オススメです。(・∀・)


「余生」(北野武
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20180424


  


孤独 (SB文庫)