いまや国民的バンドとなったサザンオールスターズ。デビューの頃、はっきり覚えている。その頃は沢田研二の「勝手にしやがれ」とピンクレディーの「渚のシンドバッド」が流行っていた。その二つの曲をくっつけた、冗談のような「勝手にシンドバッド」というふざけたタイトル。何を言っているかわからないような歌詞とテンポ。あまりに画期的なサウンドだった。(・∀・)
さてこの本。「衝撃のデビューから国民的バンドとなるまでの軌跡をたどる、胸さわぎの音楽評論!あの曲の、あのメロディの何が凄いのか――。1978〜1985年の初期に発表したサザンの名曲を徹底分析。聴いたこともない言葉を、聴いたこともない音楽に乗せて歌った20代の若者たちは、いかにして国民的バンドとなったのか?8年間の栄光と混乱の軌跡をたどり、その理由に迫る。日本のポップ・ミュージックに革命を起こしたサザンの魅力に切れ込む、胸さわぎの音楽評論!」そのエッセンスを紹介しよう。
・1978年6月25日、日曜日。この、どこにでもあるような休日こそが、日本ロックの革命記念日だったという話をしたい。それが、本書執筆の動機である。シングル《勝手にシンドバッド》の発売日。
・日本のポップス、のちに「Jポップ」と呼ばれるカテゴリーにおいて、キーパーソンを3人選べと言われれば、松任谷由実、山下達郎、そして桑田佳祐であると、確信を持って答える。
・《勝手にシンドバッド》の何が凄かったのか。何が革命だったのか。ひと言でいえば「日本語のロック」を確立させたことに尽きる。今となっては信じられないが、70年代の半ばまで「日本語はロックに乗らない」と真面目に考えられていたのである。そんなつまらない固定観念が《勝手にシンドバッド》一曲によって、ほぼ完全に抹殺された。「日本人が日本語でロックを歌う」という、今となっては至極当たり前な文化を、私たちは享受できるようになった。
・今改めて《勝手にシンドバッド》の歌詞を見ると、その後のサザンの歌詞とは異なり、英語のフレーズがまったく入っていないことに驚く。この曲の母体は、ザ・ピーナッツの《恋のバカンス》を意識したものだった。またテンポを早くすることで生まれる「早口ボーカル」によって「何が起こっているのかすら分からない」と思わせる音に、大変身したのであある。
・「歌詞は、メロディーが浮かぶと同時に、デタラメ言葉ーまァ英語が多いんだけどーで浮かんでくるわけ。日本語の歌詞は絶対に浮かんでこない。浮かんだ言葉とメロディーをゴニョゴニョそのまま唄ってくと、コード進行がピーンとわかる。今度はギターを持って、言葉はデタラメのまま、何度も何度も唄うんだよね。それは、ボク一人でもやるし、バンドと一緒にもやる。そのうちに何となく、そのデタラメ言葉にピッタリとくる日本語が何カ所か出てくるわけ」
「目立ちたがり屋の芸人」「エリー=原由子説」のハナシは初耳だった!ワタシも初期のサザンが好きだなあ!サザン好き必読っ!オススメです。(・∀・)