「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「フォルトゥナの瞳」(百田尚樹)


フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)


またまた百田尚樹!この本も傑作だっ!これだけバラバラのジャンルの小説を書くって才能だよねえ。(・∀・)


「幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は友人も恋人もなく、自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり……。生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語」
そのエッセンスを紹介しよう。


・一つ忠告しておいてやる。人の運命に関わるな。未来というのは誰にも見えない。人知を超えたものだ。ところが、なぜか俺たちには見える。しかし俺たちは所詮。人間だ。本来はそんなものを見るようになできていない。だから、見えるからといって、勝手に未来を変えちゃならないんだよ。わかるか。


バタフライ効果っていうのを知ってるか。ちょっとした小さな出来事が大きな変化を起こすというものだ。カオス理論の一種だ。例えば、北京で一匹の蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる。あるいは、アマゾンを舞う一匹の蝶の羽ばたきで、遠く離れたシカゴに大雨が降るーそんな話を聞いたことがないか。


・未来は、本来誰にも見えないものだ。神が書いたのかもしれん。そのシナリオは人間が見てはならないものだ。いや、人間には見えないはずのものなんだ。だから、人間が勝手にそれを書き換えてはいけない。お前がそうしたことによって、世の中に予期せぬ変化がもたらされた可能性がある。


・最後にもう一度言っておくが、他人の運命を変えると、後悔することになるぞ。お前にもいつかわかる時が来るー。


・俺たちは言うなれば、フォルトゥナの瞳を持っているんだ。ローマ神話に出てくる珠に乗った運命の女神だ。人間の運命が見える。しかし、女神には必要かもしれんが、俺たち人間にはまったく役に立たない無意味な能力だ。例えてみれば、人間がエラを持ったようなもんだな。無理に使えば死んでしまうだけだ。


・他人の運命に関わる気はない。彼らには申し訳ないが、助けるつもりはない。そう心の中でつぶやいた途端、良心の呵責を覚えた。お前は彼らを見殺しにするのか!心の中のもう一人の自分が言った。何の罪もない彼らが死んでいくのを黙って見ているのか!これだけの人の命が失われていくのを無視して、自分は恋人と甘い旅行を楽しむのか


自分の死ぬ時期なんて、知りたくないよねえ……。映画化されないかなあ!オススメです。(・∀・)



フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)