「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「サムライたちのプロ野球 沢村栄治からONまで」(青田昇)

    


サムライ達のプロ野球 (文春文庫)


野球が大好きなワタシ。野球関連本だけで年間50冊は読む。(笑)その中でもこの本は傑作です。


著者は、いまとなっては懐かしい“ジャジャ馬”の愛称で親しまれ、外野手として守備に打撃に豪放なプレーを演じてファンを熱狂させた青田昇。「かつてプロ野球にはサムライがいた。だから面白かった。…沢村栄治からONまで、青田昇が寝食をともにしたサムライ達との交友録。そのエッセンスを紹介しよう。


・ここの23人のプロ野球人が登場するが、僕の目からするとすべてこれはサムライである。そして現代のプロ野球には、このサムライと呼べるような人種は、本当にいなくなってしまったのである。わずか二人を除いて。(落合博満辻発彦)彼らこそ、この国のプロ野球と運命を共にし、その発展のために命がけで戦ってきた男たちであるからだ。


・今の選手はみな手袋をはめてバッティングをする。僕らの掌は、バットスイングによってタコができ、それでバットを握ると、ピタッと吸い付いてきたものだグラブの皮よりも神経の通った手の皮のほうが、はるかに微妙な感触を持っている。にもかかわらず、現代の選手はこぞって手袋をはめる。いや、たったふたりだけ素手でバットを握っている奴がいる。(落合博満松井秀喜


【日本一の強打者は誰が何と言おうと「中西太」だ】


「いま、昔の中西太が出てきて、15分間フリーバッティングをしてみせてくれるなら、ワシは一万円払っても見に行くで」センターを襲った打球は、一直線にスコアボードをドカーンと直撃するに違いない。それもグングングーンと三段にアップして、まだ上り坂の途中でボードにぶつかるはずだ。

戦前怪物と言われた景浦とか山下実、宮武などのバッティングも、僕は自分の目で見ている。戦後も川上、大下、長嶋、王、野村、張本、落合と歴史に残る強打者を全部見てきている。だがフトシにはかなわない。清原などはフトシからみたらガキみたいなものだ。



中西がプロ入りした27年は完全に「飛ばないボール」の時代。中西の活躍した期間は本当に短かった。27年〜33年までのわずか7年。その間に首位打者2回、本塁打王5回、打点王3回を取っているのだからスゴいものだ。すべては彼の左手を襲った腱鞘炎という病魔による。


青田昇、身長169cm、体重66kgの僕を見つけたとき「なんだ、あんな小さな選手でも、プロで二冠王になれるのか。それなら俺もやれるかもしれない」これがこの怪童のプロ入りに踏み切った動機だ。


その他、「この目で見た伝説の大投手・沢村栄治最後の一年」「神様・川上哲治との裸の付き合い50年」「ミスター・タイガースは千両役者・藤村富美男一代限り」「現代なら5億円プレーヤー・鉄腕野口二郎のお値段」「日本のナンバーワン監督は三原脩だ!」「和をもって貴しとなす・水原茂の苦心惨憺」「よれよれのダンディ・千葉茂が巨人の監督になっていたら…」「スライダーの創始者藤本英雄の恐るべき粘り強さ」「超人・別所毅彦のとてもかなわぬ三大財宝」「天才ホームラン王・大下弘の出現が日本のプロ野球を変えた」「新人られるか?杉下茂のフォークは絶対打てないことを」「三振奪取王・金田正一プロ野球一のしたたか男」「史上最強の二番打者・豊田泰光の辛口ぶり」「情熱の権化・西本幸雄の命を賭けたチーム作り」「ハウツウ・ピッチのお手本、おかしな大投手・小山正明」「満身創痍の熱血投手・村山実は無類の負け嫌い」「よく遊び、よく投げた細身のタフガイ・秋山登」「グラウンドの鬼も私服なら紳士・王貞治は巨人選手の鑑」「ミスタープロ野球長嶋茂雄と共闘した伊東キャンプ」


中西太、そして西鉄の黄金時代、見たかったなあ!野球ファン必読。超オススメです。(・∀・)


    


サムライ達のプロ野球 (文春文庫)