「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「できそこない博物館」(星新一)

ショート・ショートという分野を開拓し、1001編を超す作品を生み出したSF作家・星新一。(・∀・)中学生の時に、ウチの学校で大ブームが起こり、当時、最も多く読んだ作家だ。

この本は、その著者の頭脳のウラというか、20年以上にわたって書き溜めた創作メモ155編をまとめたもの。あれほどの作家でも創作や発想の苦悩があったのだ!ビックリ!そのエッセンスを紹介しよう。



ほかの作家だってたぶん同じだろうが、私にとって短編ひとつ書くのは、大変な作業である。これだけ書いてきたのに、いまだにこつがわからない。まことに原始的な方法をとっている。意欲にあふれて机にむかうことなど、まるでない。いやいやながらであり、頭はからっぽである。しかし、しなければならない。みずから選んだ道なのだ、


そこでどうするかというと、机の上の二百字詰めの原稿用紙を裏返しにしてひろげる。むかしは、四百字詰めの半分を切って使った。つまり、大きめの白いメモ用紙。そこへ思いつくまま、なにかを書く。わき出る泉のように、つぎつぎと字になってくれれば申しぶんないのだが、世の中そううまくはいかないようになっている。この段階が最も苦しい。無から有を取り出すのだから。しかし、なにかしら出てくるのだから、ふしぎである。どうなっているのか、説明のしようがない。


へえー!(゜o゜) 改めて星新一作品を読み返したくなりました。オススメです。(・∀・)