ほぼ全作品を読破している東野圭吾。いいんだよね〜!最新作はは、「家族」の物語。
「死んだ人のことなんか知らない。あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む」そのエッセンスを紹介しよう。
・「あたしは生まれた時から身代わりだった。 二人の子供が死んで、 パパとママが自分たちの悲しみを紛らわせるために作った子供。 そうでしょ?小さい時からずっといわれてきた。萌奈には、 あの世に行ったお姉ちゃんやお兄ちゃん二人の分も合わせて生きて ほしい。幸せになってほしいっていわれ続けてきた。 そんなの知らないよ。もううんざりなんだ。はっきりいって、 あたしにとっては関係のない人たちだもん。あたしはあたし。 誰かの代わりに生まれてきたなんて思いたくない。 死んだ人間の分まで生きろとかいわれたくないっ」
・常連さんたちにによれば、 花塚さんは巡り会いという言葉が好きだったようです。 いろいろな人との巡り会いが人生を豊かにするとよくいっていたと か。
・「夢のようです。 本当に自分の遺伝子を受け継いだ子供がこの世に生を受けていて。 今も元気に生きているなんて、とても信じられません。 夢のようだ、としかいいようがありません。 夢なら醒めないでほしいと思います。ただ、 やっぱり自分が産みたかったです。産んで、 おっぱいをあげて育てたかった。育児の苦労を味わって、 成長を喜びたかった」
・「自分の本当の親は別にいると知ることは、 本人にとって幸せなことだろうか。真相を知っている者は、 本人に教えてやるべきだろうか」
・「刑事というのは、真相を解明すればいいというものではない。 取調室で暴かれるのではなく、 本人たちによって引き出されるべき真実というものもある。 その見極めに頭を悩ませるのが、いい刑事だ」
・「でも、よかった。嬉しかった。生まれて初めて、 あたしの妊娠を喜んでもらえた。 子供を産んでいいっていってもらえた。それだけで十分。あたし、 それを支えに生きていける」
・「この糸は離さないっていってたな。たとえ会えなくても、 自分にとって大切な人間と見えない糸で繋がっていると思えたら、 それだけで幸せだって。 その糸がどんなに長くても希望を持てるって。だから死ぬまで、 その糸は離さない」
・伝わってくるものがあった。 何かが心に語りかけてくるようだった。間違いない、と確信した。 この人は俺の父親だ。改めて顔を見た。そして、はっとした。 真次の目が薄く開かれていたからだ。思わず、お父さん、 と呼びかけていた。「ただ感謝していただけです。 長い糸が切れていなかったことに」
やっぱり東野圭吾は天才だね。泣けました。家族って、親子っていいねえ…。「希望の糸」歌ができそうだね。超オススメです!(・∀・)♪