「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「酒を主食とする人々」(高野秀行)

いや〜スゴイ、タイトルが。中身がっ!!!世界広しといえども、こんな民族がいるのか!!!!(゚∀゚)


「本当にそんなことがありえるのか?世界の辺境を旅する高野秀行も驚く" 朝昼晩、毎日、一生、大人も子供も胎児も酒ばかり飲んで暮らす" 仰天ワールド!話題騒然の「クレイジージャーニー」の全貌が明らかに!そのエッセンスを紹介しよう。 

・空港から話が始まる旅行記にはろくなものがない。成田であっても目的地の国の空港であっても―――というのが私の持論なのだが、この旅行記は私が成田空港へ向かうところから始まる。ろくな旅行記でないことがこのことからもすぐわかる。
 
・番組はTBSの「クレイジージャーニー」。浮世離れしたこだわりのために、ふつうの人が行かないような僻地やマニアックなスポットに出かける『クレイジーな旅人』にカメラが同行し、その後、スタジオに旅人を招いて、松本人志、小池栄子、設楽統というMC三氏がVTRを見ながら話を聞くというスタイルである。

・2019年のことだと思う。書店でたまたま砂野唯著『酒を食べる エチオピア・デラシャを事例として』(昭和堂)という本を見つけ、立ち読みしただけで瞠目した。すぐに購入して読み、心底驚いた。エチオピア南部のデラシャという民族は栄養の大部分をパルショータと呼ばれる酒から得ているというのだ。パルショータはイネ科モロコシ属のソルガム(学名Sorghum bicolor、日本ではタカキビ、モロコシ、コーリャンなどと呼ばれる)という穀物から作られる濁り酒で、アルコール度数三~四パーセントくらい。それをなんと一日五リットルも飲むとか、子供も二歳から少しずつ慣れて十代半ばで大人と同じように酒が主となるとか、ほとんど酒だけで生きているのに筋骨隆々としているとか、信じられないことばかり書かれている。コメディか SFかと思ってしまった。
 
・ほとんど酒だけで生きていくというのは正直、まるで「実感」が湧かなかった。どんな感じなのだろうか。私は酒が大好きだが、それでも朝から晩までずっと飲んでいるわけではないし、つまみだってほしい。でもこの人たちはひたすら酒を飲んでいるという。そんなに飲めるのか? 酔っ払って仕事に支障をきたしたりしないのか? 幼い子供や妊婦の人、授乳中の人はどうしているのか?発酵させて酒にするとタンパク質を構成するための必須アミノ酸などが生じ、人間が生きるに十分な栄養をまかなえるという。

 

・私の目的は大きく三つ。①酒を主食とする民族は実在するのか? ②実在するとしたら、一日中、酒を飲む生活はどんな感じなのか? ③日常生活や健康に悪い影響はないのか?

 

・酒だけで暮らしている人が本当にいた! と私は感動した。子供が当たり前のようにパルショータをごくごく飲んでいた。マジか!?! 日本なら小学二年生ぐらいだぞ。ざっと14時間ぐらいは酒だけで固形食はとってない。一日にどれぐらい飲むのか訊くと、5リットルのポリタンクを指さして「これ一杯」。ということは5リットル弱だろうか。しかもこのポリタンクの酒を味見すると強い! アルコール度数10パーセント以上ありそうだ。この原液を水で半分くらいに割って飲んでいるから、実際には4~5パーセントの酒を10リットルぐらい飲んでいることになる。すごい量だ。

 

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子供は水を飲むのかと思ったら、答えは「ノー」。理由は「そっち(酒)の方が美味しいから」。 信じがたいことだが、七歳の子供が丸一日、ビールと同じぐらいの度数の酒を500ミリリットル缶4~5本飲んでいるようなのだ。しかも他に何も食べないし、水も飲まないという。

 

・水は寝泊まりしている小屋からここへ来る途中の湧き水で汲んでくるそうだが、ちょっと濁っていた。確実に安全な水ではないのだろう。そして酒に混ぜればアルコールの力で安全度が増すのではなかろうか。誰も彼も酒を飲んでいる。パルショータは食事と水を兼ね備えたスーパードリンクなのだ。酒は煮炊きする必要がなく、一日、陽にさらされていても傷まない。好きなときに好きなだけ飲める。仕事中にはこれ以上便利な飲食物はない。

 

・湧き水を一口飲むとぬるくて軟らかい。あまり清らかではなさそうだ。湧出量も少ない。この水をすくってポリタンク一杯にするには相当時間がかかるだろう。ここも決して水が豊かな村ではないようである。だからこそ、安全で長時間もつ酒が重宝されるわけだ。もし森が残っていたらどうだったのだろうか。森には貯水能力があるからもっと水に困っていなかったのかもしれない。自ら水源を減らしてしまったことが、彼らが酒に依存する食生活に進んだ一つの理由かも……などと妄想してしまった。

 

・いや、すごい。すごすぎる…...改めて私の中の常識がひっくり返ってしまった。デラシャの人たちは子供の頃から酒を飲んでいると聞いていたが、それは正確な表現ではなかった。「生まれたときから」と院長先生は言ったがそれもちがう。ここの人たちは「生まれる前から飲んでいる」のだ。なぜなら、妊婦がアルコールを摂取すれば、血液を介して確実に胎児に回るからだ。でも、ここでは妊婦は主に酒を飲んでいる。胎児も酒を飲んでいる。あるいは酒に浸っている。デラシャ人は現代医学の常識をはるかに超えたところに生きている―。

 
行ってみたい!!!浴びてみたい!!!世界は広いなあ……オススメです。(=^・^=)