いいなあ、この本!「痛快!」「粋」というのがピッタリの毒蝮三太夫さん!!!
「ババア」とか「ジジイ」とか、思いっきり言って嫌われないずうずうしさ!!!
「毒蝮三太夫の知られざる半生を描く。親友の立川談志に「お前の親を見てるとお前が上品に見える」と言わしめたひょうきんでユニークな父と母。口は悪いが愛のある、天衣無縫で八方破れなエピソードを軸に、戦前戦後の激動の昭和史を綴った一冊」そのエッセンスを紹介しよう。
・『ウルトラマン』は円谷プロの制作だが、フジテレビが「お金がかかり過ぎる」と手を出さなかったので、 TBSになったようだ。 俺はTBSが持つ出演者枠で出られたから、 フジが二の足を踏んでくれてホントよかった。俺がギャラが安くて、がたいがよくて、 いつも喫茶ロビーにいて暇そうに見えたのもよかった。 特撮は予算を食うし、日程がハードだし、 今回の撮影は長期にわたる予定だから、役者は安くて、丈夫で、 暇なのが何よりだったのだと思う。俺としても、しばらく定期収入がみこめるのが嬉しかった。
・『ウルトラ』シリーズのこの設定は、今でこそあたりまえだが、 初代の昭和四十一年当時は、「なんのこっちゃ」という感じだった。怪獣は前作『ウルトラQ』 にも出ていたが、俺はあいにく見たことがなかった。主人公のウルトラマンも、第一印象はこうだった。「なんだい、のっぺりした顔をしていやがる」
ていた。だが収録が遅れに遅れて、 今にも放送に穴があきそうになったので、 三クール三十九本で局が打ち切りを決めたらしい。ありがたいことに、俺はその半年後に始まった『ウルトラセブン』 にも出させてもらって、ウルトラ警備隊のフルハシ隊員をやった。 二人のM78星雲人のおかげで、 俳優の石井伊吉は一躍有名になった。
「汚ねえババアだな」「ジジイ、死ぬのを忘れちゃったんじゃねえか」「まあ、あと二年は大丈夫だな」
そんな言葉を連発するのに、以前よりもずっと多くのジジイ、 ババアが、俺の中継を見
に来てくれるようになった。元は小学校の校長先生だったというジジイも、 俺にファンレターを書いて送ってくれた。 百歳になるそのジジイに対して、俺は現場で「あと二年は大丈夫」 と、いつもの言葉を使ったんだが、手紙にこう書いてくれていた。
「人に笑われるなと学校で教えてきました。あと二年またでも、今日はマムちゃんにからかわれて、楽しかった」
いいなあ。江戸っ子だなあ。マムシさん、いいなあ。このキャラ!!!いつまでも元気で毒舌を吐いてほしいなあ。オススメです。(=^・^=)